「将来お金で困るのが嫌だから資産運用してみよう」ということで、最近になってから株や投資信託で資産運用を始めた方が私の周りにも増えてきました。

そんな投資初心者の方たちが実際に資産運用を始めた時にやりがちな3つの失敗する行動についてまとめておきます。とりあえずこの3つを避ければ、それだけで損失を回避できます。大事なお金を失いたくない方は必ずチェックしておきましょう。

失敗する行動1:“今”値上がりしているモノに乗り換え続ける

投資の原則は『安く買って、高く売る』です。

「“今”値上がりしているモノ」に飛びつくことは、すでに高値に到達しておりあとは値下がりするだけのモノを高値掴みすることを意味します。

話題になっている銘柄を見たりその銘柄が徐々に値上がりしていく様子を見ていると、ついつい買いたくなってしまったり「悔しい!あのとき買っておけば!」という気持ちになったりするのですが、その心理状態こそ失敗の元です。

すでに持っている株を手放して”今”値上がりしている株を買うのはおすすめできません。

そもそも、株はいつ売るのが適切なのか知っていますか?

投資の世界では、以下のようなときが「売り時」とされています。

株の正しい「売り時」とは
  1. オーバーバリューしたとき
  2. 自分の見立てと違ったとき
  3. もっと良い投資先が見つかったとき

1つずつ解説しておくと・・・

1、オーバーバリューしたとき

オーバーバリューとは、バリュー(価値)がオーバー(超過)したときのことで、簡単に言えば値段が上がりすぎた時を意味します。

本来2000円~2200円の範囲内が適正な株価の銘柄が、決算が過剰に評価されたりニュースが材料視されたりして3000円くらいまで値上がりすることがあります。

このように過剰に評価されたりh実力以上に高い評価を受けたりして株価が上がった(上がりすぎた)ときが適正な売り時です。

2、自分の見立て(売買シナリオ)と違ったとき

株を買う前に予想していた見立てとは違ったときも売りタイミングの1つです。

たとえば、

  • 高い配当金を維持できると思って買ったのに、配当金を減らした(減配)
  • 不況に強い業種だと思っていたのに、不況の煽りをモロに受ける会社だった
  • 高成長だと期待していたのに、予想よりも成長しなかった
  • 同業他社に吸収合併されると予想していたのに合併しなかった
  • 開発中の製品がリリースされれば売り上げが何倍にもなると予想していたのに、製品開発が失敗に終わった(ゲーム、バイオ株に多い)

このように、事前の見立てや売買シナリオとは異なる展開になったときには、買った時の理由(見立て、シナリオ)が間違っていたわけですから保有し続ける理由もなくなります。

事前の見立てとは違うことが判明した段階で、損益に関係なく手放すのが適切です。

3、もっと良い投資先が見つかったとき

今持っている銘柄よりも、もっと良い投資先が見つかったときも売りタイミングです。

投資は「将来どれくらい値上がりするか」という期待値に賭けるゲームなので、いま保有しているものよりも期待値の高いものが見つかったのであれば、より期待値の高いものに乗り換えるのが賢明です。

「もっと良い投資先が見つかったとき」と聞くと、いま値上がりしているもののことだと勘違いしてしまうかもしれませんが、いま値上がりしているものが良い投資先とは限りません。いま値上がりしていても5年後には現在よりも値下がりしているかもしれませんし、なんらかの不正が見つかって明日には株価が暴落することだってあるからです。

 

以上のように株(資産)には適切な売り時があり、『”いま”値上がりしてるトレンド銘柄』ばかりを頻繁に売買しても高値掴みのリスクが高まるだけで資産は増えません。

株の正しい「売り時」とは
  1. オーバーバリューしたとき
  2. 自分の見立てと違ったとき
  3. もっと良い投資先が見つかったとき

投資初心者にありがちな考え方として、

  • 株価が上がる銘柄は(無条件で)良い投資先だ
  • 株価が上がるものが正義
  • 株価は上がれば上がるほど良い

このように株価だけを見てしまいがちですが、株式投資では株価以外にも考慮すべき要素がいくつもあります。目の前に転がっている話題の銘柄や”今”値上がりしてる銘柄に飛びついたとしても楽しい未来は訪れないと心しておきましょう。

 

良い投資先とは、以下のようなものです。

  • あなたの価値観と合っている(例:配当金が欲しい。銀行の定期預金よりも有利ならなんでもいい。とにかく大金が欲しい。など)
  • 投資期間に合っているいるもの(長期、中期、短期)
  • リスク許容度に合っているもの(ハイリスク、ミドルリスク、ローリスク)
  • あなたが投資対象について理解できるもの
  • 自分なりの投資シナリオが描けるもの

こういった投資先を選べるようにならないと、目先の株価に翻弄されて無駄な取引を繰り返し、損失ばかりが膨らむことになります。

最近株価が好調なものだけを追いかけて目移りしていると、高値掴みして

失敗する行動2:「儲けている人」の信者になる

TwitterやYouTubeで有名な人、有名なブロガー、元芸能人、本の著者などなど…「投資で儲けている人」が言っていることを初心者は鵜呑みにしてしまいがちです。

しかし、儲けている人達は大きなリスクを取ったから大きなリターンを得たにすぎません。

有名な人たちが儲けた金額だけを見て彼らに憧れ、儲けている人達と同じように取引しようとして失敗する人がたくさんいます。

なぜ設けている人達と同じ方法を実践しているのに失敗するのかというと、「儲かっている人達のリスク許容度」と「あなたのリスク許容度」が違うからです。

運用に使える資金や性格、家庭環境などによってリスク許容度は人によって異なります。儲けている人の真似をしても、リスク許容度は人によって違うので、あなたのリスク許容度を越えてしまう可能性があります。

これが原因で自分のリスク許容度を越えた金額を1つの銘柄に突っ込んで爆死してしまったり、つまらない銘柄を取引して爆損したりする初心者がたくさんいます。

有名人や元芸能人などは、もともと持っている金額が一般人とはケタ違いですし、投資に失敗したとしても稼げる手段はいくらでもあります。

生まれも育ちも運用資産額も全然違う人の話を鵜呑みにしても、損をすることはあっても得をすることはないと覚えておきましょう。

失敗する行動3:「投資の正解」を求める

投資とは「未来の値上がりや資産価値の上昇に期待する行為」ですが、未来がどうなるかは誰にもわかりません。

国や時代、経済状況によって最適な投資の手法は異なります。現在うまくいっている投資の手法があったとしても、その手法が未来永劫うまくいくとは限りません。

「高配当株を一生保有し続けるのが正解」といわれている時代があれば、「インデックス投資だけやっていればいい」と言われる時代もあります。かと思えば、「短期逆張りのデイトレードが最適解」と言われる時代も過去にはありました。

投資の正解は千差万別、十人十色です。

現在最適だと考えられている投資手法も、10年後、20年後には時代遅れで儲からない方法と言われているかもしれません。投資に正解はないので、正解を追い求めるのではなく常に勉強を続け、その時代に合った手法を探しながら精進する必要があります。

答えが見つかれば、その後は勉強を続けなくてもいいし、毎日株価を見なくても済むのでほったらかしにできてラクができます。しかし投資には正解(答え)はありません。相場から逃れることはできませんし、継続的な勉強も必須です。

 

大切なのは現在有効な投資手法が通用しなくなったときに備えて、常に想定外の事態が発生したときのためにリスクヘッジをしておくことです。プランAだけではなく、プランBやプランCを複数用意しておきましょう!ってことですね。

  • 米国株が下火になったときに備えて、インド株や中国株の投資方法も少しだけ勉強しておく
  • グロース株が大崩壊したときに備えて、高配当株や小型株投資の方法も知っておく
  • 「株はオワコン」という時代が来た時に備えて、債券や不動産投資の情報も仕入れておく

投資の世界では、昨日までの正解が今日の不正解ということが起こりえます。

好調な時期がいつまでも続くとは限ません。悪い時代が訪れたときに慌てなくても済むよう、不確定な未来に備え、どんな未来が来ても大丈夫なように答え(投資手法)を複数用意しておきましょう。

投資で失敗する行動(まとめ)

投資で失敗してしまう典型的な3つの行動のまとめです。

これをやれば投資で失敗する

失敗する行動1:“今”値上がりしているモノに乗り換え続ける
失敗する行動2:「儲けている人」の信者になる
失敗する行動3:「投資の正解」を求める

失敗する行動1:“今”値上がりしているモノに乗り換え続ける

株の売り時は以下の3つのときだけです。これ以外のタイミングで「“今”値上がりしているモノ」を追いかけ続けると、損をする可能性が高いです。

  1. オーバーバリューしたとき
  2. 自分の見立て(売買シナリオ)と違ったとき
  3. もっと良い投資先が見つかったとき

 

失敗する行動2:「儲けている人」の信者になる

投資のリスクとリターンは表裏一体です。儲けている人は、大きなリスクを取った結果として、大きなリターンを得ています。

儲けている有名人は、大きなリスクの裏返しに大きなリターンを得られましたが、もしも上手くいっていなかったら…リターンと同じだけの損失を出していたかもしれません。

月利10%で資産を増やせた人は、月利10%で損失を出すことができた。それだけの損失を許容できる人だけです。

そこまでのリスクを受け容れられない方は、安易に有名投資家の言葉を鵜吞みにしてはいけません。運が悪ければ破産します。

 

失敗する行動3:「投資の正解」を求める

未来は常に不確定です。

投資に正解はなく、いま正解だとされている投資対象や投資手法でも「現在の最適解」なだけであり、将来も通用するとは限ません。

いまイケてる投資プランを実行しつつ、この投資方法がダメだったときにどうすればいいのか?常にリスクヘッジとしてプランBやプランCを用意しなければなりません。

想定外に備え対策をとっておくこと、常に学び続け努力を続けること。この2つが重要です。

 

投資に必勝法はありませんが、必ず失敗する方法は存在します。

失敗を避け、生き残り続けることができれば、自然と資産は増えていきます。つまらないことで資産を減らしたり退場したりすることなく、コツコツと資産形成していきましょう!

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