株式投資の世界には、様々な投資の手法があります。

投資対象の性質が違ったり保有する期間が違ったりしますが、投資方法の選び方を間違えてしまうと絶対に儲かりません。

今回は株式投資で絶対にやってはいけない投資法についてご紹介します。

デイトレード(短期売買)

デイトレードは買ったその日のうちに決済(反対売買)をして取引を終了させる投資方法です。

短期間に爆発的に稼げる可能性がありますし、翌日まで持ち越さないため中長期投資よりもリスクが低いとも言われています。株の世界で有名になった投資家の中には、デイトレードで短期間に大儲けして、一躍有名になった人もいます。

 

しかしながらデイトレードには致命的な欠点があります。

株式投資は株を買っている全員が儲かっている状態が起こりえるプラスサムゲームですが、デイトレードはデイトレーダー同士でお金を奪いあう略奪戦であり、証券会社に支払う手数料の分だけ確実に負けるという意味では、参加者全員のトータルの利益がマイナスになるマイナスサムなゲームです。

麻雀と同じで、同じ卓にいる人同士で掛け金を回しあっているだけのゲームにすぎず、ほとんどの人は損失を出し、ごく一部の人だけが勝ち組になれる厳しい世界。しかも手数料だけは確実に引かれていくため、胴元である証券会社が儲かるだけですので、デイトレードは絶対にやってはいけません。

中長期投資

中長期投資も危険です。

遠い未来のことは誰にもわかりません。天気予報と同じで、明日のことは正確に予測できたとしても、1年後、10年後のことは誰にも予測ができません。株式市場は年率平均で5~7%の成長をしていますが、これは過去のデータが安定成長していたことを示しているにすぎず、これから先の10年、20年の成長を約束しているわけではありません。

株の保有期間が伸びれば伸びるほど不確定な要素により、損失を出す危険度が高くなります。そのため、中長期投資も絶対にやってはいけません。

インデックス投資

インデックス投資も絶対にダメです。

インデックス投資は日経平均や世界経済の指数などに連動して成果を出す金融商品で、個別株買ったりデイトレードをしたりするよりは遥かに安全な投資ができると言われています。しかしながら、インデックス投資には資産が増えるのがあまりにも遅すぎるという欠点があります。

年率3%平均で資産が増やせたとしても、100万円投資している人は年間に3万円しか増やせません。1億円持っていれば年率3%で300万円増やすことができますが、それでも、せいぜい新卒サラリーマンの年収くらいです。

慎ましい生活を送るのには十分かもしれませんが、お金持ちになるためには力不足であり、また、資産の増加スピードがあまりにも遅いため、お金持ちになれたとしてもその頃にはもうお爺ちゃん・お婆ちゃんになっています。

そんな年寄りになってからお金持ちになって何の意味があるのでしょうか?年を取ったら体が動かなくなってくるし、体力が落ちて旅行も難しくなります。持病により食事制限があり、美味しいものもお腹いっぱい食べられなくなっているかもしれません。

お金は若いうちに持つからこそ意味があるのであって、年を取ってからお金持ちになっても意味がないんです。今すぐお金持ちになれないという意味において、インデックス投資は最悪の投資法と言えます。

アクティブ運用

インデックス投資に対してアクティブ運用という投資方法もあります。インデックス投資と違い、積極的に売買を繰り返すことによって資産の増加を図る投資法です。

しかし、アクティブ運用は売買回数が多いために手数料が高く、また、積極的に運用しているくせにインデックス投資よりも運用成績が悪いというデータが明らかになっています。

1年、2年の短期間であればインデックス投資に勝てる場面があったとしても、長期になればなるほど手数料負けしてお金が減っていく一方ですので、アクティブ運用は絶対にやってはいけません。

バリュー投資

バリュー投資とは、市場での価値(バリュー)が実態よりも低く見積もられている企業に投資する方法です。いわゆる割安株を買うことによって、なんらかのきっかけで割安株が注目を集めた際、企業の価値が見直されて実態に即した株価まで修正(株価上昇)したときに売却すれば利益を得られます。

「安すぎるときに買って適正価格で売る」わけですから、買った後に株価が下落して損失を出すリスクを低く抑えることができます。

しかし、バリュー株投資には致命的な欠点があります。それは、割安株が万年割安で放置されてしまう可能性があるということです。

たしかに誰にも見向きもされていない優良企業は存在します。そういった企業がひとたび注目を集めることができれば、きっと誰もが欲しがり株価も上昇するのでしょう。ですが、割安で放置されている企業には、割安でも放置されてしまうだけの理由がある場合も多いんです。

そのため、いくら安いからと言っても誰も買いたがらず、結局、株価上昇の恩恵を受けることなく投資用の資金が拘束されることにつながります。どうせ資金が拘束されるのであれば、欲しいものがいつでも買える現金の方がまだマシです。バリュー株なんて買ってはいけません。

グロース株投資

バリュー株に対比して、将来の成長に大きな期待が持てる銘柄のことをグロース株と呼びます。アメリカのGoogleやApple、Facebook、Amazonといった超有名企業はグロース株の典型例です。

配当金が出ない代わりに株価の上昇が著しく、グロース株買うことによって資産を爆発的に増やすことが可能になります。

しかしグロース株にも弱点があります。投資家からの期待が強すぎて、割高になってしまうというものです。

適正な株価を超えた時点からはチキンレースの状態に陥り、どこかで上手く売り抜けない限り、期待感がはじけたときの反動(暴落)に巻き込まれ逆に資産を失うことになります。

グロース株に投資してはいけません。

高配当株投資

高配当株投資は配当金利回りの高い銘柄を買うことで、毎年配当金を受け取り続けるという投資法です。高配当株は配当利回りが高いため景気後退局面では買われやすく、株価が下がりにくいという特徴があります。

しかしながら高配当銘柄にも大きな弱点があります。「とにかく成長率が低い」というものです。

配当金がたくさん出せる企業というのは儲かっている企業というわけではなく、すでに成熟しきった業界の老舗企業であり、「もうこれ以上新規投資できる分野がない」「成長していないため株価で還元することができず、株主に還元できるものは配当金くらいしかない」ということを意味しています。高配当が出せる企業はお爺ちゃん企業ということです。年寄りなので成長意欲もなく、代り映えのしない退屈な日々を過ごしながら、時々顔を見せに来る孫にお小遣いをあげるくらいしかできません。高配当企業とそっくりですね。

 

株式投資とは、企業の「未来への成長」にお金という形で手を貸してあげて、その見返りとしてリターンを得るというものです。成長意欲がなく、また、実際に成長する余地もない会社にお金を預けても儲からないのは自明です。

高配当株は株価が下がるところまで下がってしまったがために配当金利回りが高くなっている企業も含まれます。なにか悪いニュースが出て大きく株価が下落したりすると配当金で貰える金額以上に株価下落のダメージを受けることもあり、投資対象としてあまりにも魅力が無さ過ぎます。高配当株投資は絶対にやめましょう。

〇〇国投資

日本株投資、新興国投資、米国株投資…これらへの投資も危険です。

たとえば日本株投資。日本は超少子高齢化社会であり、国内需要は先細り、革新的なビジネスモデルも誕生しにくく、衰退の一途をたどっています。経済成長なんて夢のまた夢であり、投資先としては最悪です。

ほかにも先進国投資。ヨーロッパをはじめとした先進国はすでに成長余地が残されておらず、これ以上の経済成長は望めません。投資とは成長の果実を享受するものですので、成長性が期待できないところにお金を置いてはいけません。

米国株投資も危険です。アメリカは過去数十年にわたって経済成長し続けてきました。しかし、それは長い歴史の中ではわずかな瞬間にすぎません。今後も成長し続ける保証はどこにもなく、むしろ成長しすぎているため、あとは衰退する一方とも言えます。

新興国投資もダメです。ではなぜ新興国に投資する人がいるかというと、新興国は人口が増加傾向にあり、経済成長が著しいからです。一見、投資するのに最適なように見えますが、ここにも落とし穴があります。

実は新興国は金融法制が整っておらず、インサイダー取引や収賄といった不正がたくさんあります。私たち外国人投資家が買った株が値上がりしたとしても、その株を売ろうとした瞬間に「なぜか」証券会社のサーバーに一時的なエラーが生じ、売りたいときに売り抜けなくなったり、途中で法律が変わって投資した資金を回収できなくなったりするリスクがあります。

政治的に不安定な国も多く、安心して投資できる国は少ないです。成長期待が高いということは、裏を返せば割高になりやすいということでもあり、新興国に投資するのはリスクが大きすぎます。

ということで〇〇国投資は絶対にやってはいけません。

結論:株はやるな!

ここまでをおさらいします。

  1. デイトレード:カモにされるだけ。ごく一部の人しか儲からない
  2. 中長期投資:未来のことは誰にもわかない
  3. インデックス投資:全然儲からない
  4. アクティブ運用:インデックス投資にすら勝てない。実質的なゴミ
  5. バリュー投資:永遠の割安株をつかむリスクが高い
  6. グロース株投資:高値掴みになるリスクが高い
  7. 高配当株投資:低成長で減配・株価下落のリスクが高い
  8. 〇〇国投資:欠点だらけでリスクしかない

以上のように、株式投資は「やってはいけない」という結論になります。(笑)

投資は自己責任

株をやってはいけない、とリスクにばかり強調してきましたが、実際のところ、私は株をやっていますし、当ブログでも株式投資を推奨しています。

結局なにが言いたかったかというと、ものごとには必ずメリットとデメリットの両面があり、どちらか一方にしか着目しないのはバランスが悪いし、デメリットばかりに注目すると何も失わない代わりに何も得られないということです。

「〇〇投資は最高!絶対にみんな〇〇投資ををやるべき!」という意見があるのと同じくらい、「○○投資は最悪!絶対にやってはいけない!」という意見が存在します。

今回、各投資法を批判する内容を読んで、「そのとおりだ!株式投資は危ない!やめよう!」と思ってしまった方は、要注意です。物事の一面しか見ることができないということは、その情報をもたらしてくる人に都合の良いように利用されてしまう危険性があるからです。

今回例に出した投資方法は、どれを実践しても儲かると思いますし、どれをやっても儲からないとも思います。

 

結局のところ、自己責任のもと、自分の頭で考えて実践するしかありません。「有名な投資家が言っていたから」とか、「この方法が儲かると聞いたから」といった情報に流されていると、いつまでたっても市場の養分にされるだけです。

当記事で批判してきた各投資方法で財産を築いてきた人はゴロゴロ存在しますが、同時に、お金を失った人もたくさんいます。投資の方法に正解はありません。自己責任のもと、自分の頭で考えて投資していきましょう!

ご紹介できなかった投資手法

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