とあるツイートが炎上しておりましたのでご紹介します。

https://twitter.com/satton0723/status/1421708590469967873

炎上した理由は「自分も当事者だから」

このツイートが炎上した理由としては、おそらく自分も当てはまる!っていう人が多いからです。「そもそも何が問題なの?年収750万なら奥さんも働きに出れば余裕で返済できるでしょ。」と考えている人が多いことが窺い知れます。

私個人の意見としてはツイートした方と同じように「年収750万、子供が3人いて、現在43歳。4500万円の家を住宅ローンを借りて建てて、これから先、35年かけて借金を返済していく」というのはあまりにも無謀だと感じました。

現在43歳で35年のローンだと、ローンの完済は78歳になります。78歳まで現在の収入が維持できる、78歳まで働き続けられる…というのがローン返済の前提条件です。78歳まで働き続けることができて、しかも35年後でも収入が今と同じかもっと多くなっていると信じられる純真無垢な方は果たしてどれくらいいるのでしょうか。

  • 退職金による繰り上げ返済が可能
  • 親からの遺産が期待できる
  • そもそもローンと一緒に家を売却する予定なのでは?
  • 実は資産をたくさん持っているのでは?
  • 団信(住宅ローン専用の保険)を付けて65歳で癌で死ねば、借金がチャラになる

などの意見を見かけましたが、だとしても、ライフプランの設計力が弱いというのが気になります。

将来を楽観しすぎ

長い人生では何が起こるかわかりません。そのため、最悪の事態を想定して、ある程度の備えが必要になります。お金、住居、健康、人脈、知識などなど…備えられるものの種類は数多いです。それらの中でも将来に備えて「お金」を蓄える人が多く、お金で将来の不測の事態に備えること自体は悪いことではありません。

しかし、お金に偏りすぎるのもバランスが悪い。

さきほどの住宅ローンの話に嚙みついていた人のうち「そもそも何が問題なの?」という方は、78歳まで働けるという前提条件を満たす必要があるだけではなく、

  • 退職金による繰り上げ返済が可能→退職金が出なかったらどうするの?
  • 親からの遺産が期待できる→遺産が予想よりも少なかったら?相続税が増税されたら?
  • そもそもローンと一緒に家を手放す予定なのでは?→家の売却価格が大幅に値下がりしていたら?

といった基本的なことを想定していない可能性が高く、ツイート主はこの点を心配して「笑ってる場合じゃないだろ…」と感じたのだと思います。

また、ローン完済の時期が78歳ということは、当然、その年齢まで健康で働き続けていることが要求されます。

教育(学歴)への投資はコスパ最低?大学へ進学する価値は年々下がっている件について【教育不要論】でも書いたように、日本人の給与所得は年々下がり続けていますし、少子高齢化の煽りを受けて社会保険料は上昇の一途をたどっています。78歳まで給料が変わらなかったとしても、自由に使えるお金は確実に減っていきますし、その分ローンの返済も苦しくなることが予想されます。病気になるリスクも考えなければなりません。

ローンを組む前にこういったことを考えていますか???という意味において、「年収750万、子供3人、43歳で4500万の家を住宅ローン(35年)で買うのは無謀」と断じるわけです。

借金返済のために働く人生って楽しいの?

住宅ローンを組むことによって、現在の自分の経済力では手に入らないものを手に入れることができます。借金するということは、将来の利益を先取りする行為です。このこと自体は悪いことではありません。家族や自分の安心感のために、借金してまで家を手に入れることを否定はしません。

しかし借金して夢のマイホームを手に入れた結果、借金返済のために仕事に奉仕し続ける人生を送ることは、果たして幸せといえるのか…?私は疑問に感じます。

先ほども書いたように、給与は減り、社会保険料は増え、それでもローンは減らず、自由に使えるお金は限られます。子どもがいる場合には、子どものために使えるお金も限られてくるでしょう。親が借金をして買った家のせいで自分のやりたいことが制限されてしまった場合、子どもたちはどう感じるのかな?などと余計なことを考えてしまいました。

将来に悲観しすぎてお金を貯め込み過ぎるのも良くないですが、楽観しすぎてガバガバなライフプランを設計し、借金のせいで首が回らなくなったり家族に迷惑をかけたりする可能性があるのも考え物だと感じました。

家族の幸せのために家を買ったはずなのに、働いて稼いだお金を家族のためには使えず、家の借金返済のために費やし続けるのってどうなんでしょうね。

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