日本では非正規社員が増えており、何年も真面目に働いたところで給料はたいして増えず、いつクビを切られるかもわからない不安の中で過ごしている方が増えているようです。そんな時代を反映し、最近では資産運用に興味を持っている方も多いでしょう。

しかし、いきなり資産運用といわれても「何から始めればいいのかわからない」「失敗しないために、なにに気を付けるべきなのか教えて欲しい」というのが本音だと思います。

そこで今回は、資産運用の初心者がまずは何から始めればいいのか?について解説しました。

リスクが少なく、堅実な方法で、初心者でもすぐに取り組めるシンプルな方法に絞ってまとめたので、これから資産運用に取り組む方は参考にしていただければ幸いです。

資産運用の原則(結論)

まずは結論から入りますが、生まれた時から資産をウン十億円も持っているお金持ちではなく、ごく普通の一般人が資産形成する場合、

  1. 貯金を増やす
  2. 伝統的資産(株・債権)から始める
  3. 少額から投資する
  4. 手数料は出来る限り払わない
  5. 税金は出来る限り払わない

この手順でやれば間違いありませんし、失敗が減らせます。

 

「投資」と聞いてアレルギー反応を示す人や「怖い」といったイメージを持つ人が多いのですが、なぜ投資にマイナスなイメージがあるかというと、ほとんどの人は投資に失敗するからです。

な~んだ、それなら投資をやる意味ないじゃん。。。と諦めるのはまだ早いです。

多くの人が投資(資産形成)に失敗するのには理由があります。そもそも資産ではないものを買っているから失敗するんです。

 

世の中には資産に見せかけたゴミ商品がたくさんあり、銀行員や証券会社の営業マン、保険のセールスレディーなど立派な看板を背負いながら堂々とゴミを売りつけている人もいます。

そういった看板や肩書に惑わされ、よく知りもしないのにゴミ商品を買わされ続けた結果、多くの人は資産形成するつもりが逆に損をすることになり、投資(資産運用)にマイナスなイメージを持つようになりました。

こうした悲劇を避けるために、超初心者向けにシンプルで難易度が低い資産運用の手順を解説していきます。

まずは貯金を増やす

資産運用するにあたって、

  • 種銭となる最初の資金をどれだけ作れるか?
  • 毎月、毎年どれだけの余剰資金を資産運用に投入できるか?

はとても重要です。

種銭が多ければ多いほど資産運用の効果はアップしますし、給料の一部を定期的に資産運用に投入するなど、種銭を増やす努力が欠かせないからです(入金力)。

 

種銭を作る最初のステップとして、まずは貯金が必要です。

10万円の貯金も作れない人が100万円を貯めるのは不可能ですし、100万円を貯めることのできない人が人生をかけて長期的に資産を築いていくこともまた絶対に不可能でしょう。

そして貯金は、収入を増やし、支出を減らすことで着実に増やすことができます。収入アップの努力をし、無駄遣いや不要な支出を見直すことで貯金を増やすことができます。

目安としては、まずは半年分の生活費を貯金することを目指しましょう。この半年分の生活費(貯金)は、病気やケガ、急な出費があった時にすぐに使えるお金として銀行口座に残しておきます。そして半年分の生活費から溢れたプラスαのお金を資産運用に回していきます。

自分の財布のお金を管理する能力、すなわち家計管理能力を高めることが、資産形成の基礎なのです。自分が現在いくら持っているのか常に把握し、無駄な出費は無いか細心の注意を払い、家計管理能力を身に付けましょう。

伝統的資産(株・債権)から始める

世の中には投資対象となる商品がたくさんありますが、はじめは伝統的なものへの投資から始めます。

なぜ伝統的な、古くから存在する投資商品を選ぶべきなのかというと、投資の世界にはとても投資対象にはなりえないようなゴミ商品が氾濫しているからです。

資産運用とは、

  • 定期的にお金をもたらしてくれる
  • 購入したときの価格よりも高値で売れる(値上がりする)
  • リスク・リターンが自分の収入や生活実態に見合っている

こういったものを選んで運用することで、ゆっくりでも着実にお金を増やしていくものです。

 

株や債券といった伝統的な金融商品はこの条件を満たしており、また、古くから存在するのでイザという時(経済危機や証券会社の破綻など)に投資家を保護してくれる法制度が整っています。

仮想通貨やソーシャルレンディング、FXなどの新しい金融商品には投資家保護の仕組みが未整備なため、「当たれば大きく儲けることもできるけど、なにかあった際には問答無用で全財産を没収される」といったことが起こりえます。これではギャンブルと同じです。

資産運用はコツコツと時間をかけて着実に資産を増やしていくことであり、イチかバチかの賭けをするものではありません。せっかく苦労して貯めたお金をギャンブルに使うのはバカのやることです。

賢くて自制心のある人はギャンブルには目もくれず、適切なリスクとリターンの中で堅実に資産を増やしていきます。

少額から投資する

投資にはリスクとリターンがあり、特にリスクには注意を払う必要があります。

100万円で買ったものが200万円になったり、半分の50万円になることもあります。

最初から全財産を突っ込んでしまうと許容できるリスクの範囲を超えてしまい、精神的にも経済的にも大ダメージを受けかねません。

そのため、最初のうちは必ず少額から始め、買った金融商品がどのような値動きをするのか?値動きやニュースへの反応の仕方、自分の精神状態の変化を1年から2年かけて肌感覚で理解し、資産運用に慣れていってください。

初心者のうちは自分が買った商品の日々の値動きに一喜一憂してしまったり、他の金融商品が値上がりしたニュースを見て買いたくなってしまったりするかもしれません。

あなたを誘惑したり、精神的に揺さぶりをかけてきたりする事態が起こるかもしれませんが、資産運用には付き物ですので冷静に対応し、徐々に慣れていきましょう。

手数料は出来る限り払わない

資産運用するには様々な種類の手数料がかかります。株を買うだけでも以下のような手数料がかかります。

  1. 販売手数料(購入時にかかる)
  2. 運用手数料(ファンドの運用時に支払う)
  3. 取引手数料(株の売買を行う度にかかる)
  4. 為替手数料(外貨建て資産を買う時にかかる)
  5. 口座手数料(証券口座を開設・維持する費用)
  6. アドバイス料・顧問料(投資顧問会社などが推奨銘柄を教えるときにかかる)

銀行員に言われるがままに資産運用を始めると、ざっとこれくらい↑の各種手数料が請求される可能性があります。資産運用するなら、こういった手数料を限りなくゼロにするのが原則です。なぜならば、手数料は運用成績とは関係なく必ず引かれてしまうお金だからです。

投資信託の中には信託報酬(運用手数料)が年間2%を超えるものもあり、よく退職した高齢者が銀行員から買うように勧められ、退職金を溶かしたりしています。

年間2%の手数料は、あなたが買った金融商品が値上がりしようが、値下がりしようが関係なく毎年かかる手数料です。

1億円分の投資信託を買っていた場合、毎年2%も手数料を取られていたら、10年で20%ものお金を失うことになるんです。あり得なくないですか?この手数料、儲かっても儲からなくても確実に失うんですよ。

この事実にピンッ!と気が付いて、危ない金融商品を避けたり銀行員の甘いワナに引っ掛からないように回避できたりしない人は、一生お金の奴隷として惨めな人生を歩むことになります。

一般的な買い物では、手数料が高ければ高いほど良い成果を出せるのが普通ですが、投資の世界では真逆となっており、手数料が安ければ安いほど優秀な成績を残してくれます。

手数料は限りなくゼロにする!この姿勢が資産運用では大事です。

税金は出来る限り払わない

手数料と同じように、税金もできるだけ払わないように注意します。

資産運用した際、資産を売却して値上がり益を手に入れたり、配当金や利息を受け取ったりする際には税金がかかります。日本だと約20%もの税金がかかるので、とても無視できないくらい大きなインパクトです。

たとえば100万円の株を買って、200万円に値上がりしたときに売却すると100万円の利益になります。

このとき、100万円の利益のうち20%分、つまり20万円が税金として引かれてしまいます。これはかなり痛いです。

 

しかし、この税金を回避する方法もあります。それが優遇税制です。

iDeCo、NISAといった優遇税制を使えば、先ほどの100万円の利益に対する税金を免除し、本来税金として取られてしまうはずだったお金も全額自分のものにできます。

20%もの税金を回避できれば、資産を増やすときに有利になるので、優遇税制を活用して税金をできるだけ払わずに済むようにしましょう。

知識があるだけで無駄な出費を減らせるという意味では、優遇税制の活用も家計管理の1つと言えそうですね。

 

ここまで長かったので一度確認しておきますが、資産運用する際には、

  1. 貯金を増やす(収入アップ・支出減らす・家計管理)
  2. 伝統的資産(株・債権)を買う
  3. 少額から投資する
  4. 手数料は出来る限り払わない
  5. 税金は出来る限り払わない

これらが鉄則になります。

以上を踏まえて、具体的になにを買ったら良いのかについて見ていきましょう。

初心者のための資産運用の具体例

資産運用できるだけの貯金ができたら、ここまで見てきた5つの原則に従った金融商品を購入します。

いまのところおすすめできるのは、「SBI・バンガード・S&P500インデックスファンド」という金融商品です。

「SBI・バンガード・S&P500インデックスファンド」は世界最大級の資産運用会社であるバンガード社と、日本のSBIグループが手を組んで作ったファンドになります。信頼と実績のある会社が一緒に作ったファンドだと解釈してください。

SBI・バンガード・S&P500インデックスファンドには下記の特徴があります。

特徴1:S&P500に連動している

1つ目の特徴は、S&P500に連動しているということです。

S&P500とは、アメリカの主要企業500社から構成されたアメリカの株式市場を代表する指数の1つです。

SBI・バンガード・S&P500インデックスファンドはこのS&P500の値動きに連動するように設計されているため、SBI・バンガード・S&P500インデックスファンドを買えば実質的にアメリカの企業全体を買っているのと同じことを意味します。

アメリカは新しいビジネスモデルや勢いのある新興企業が誕生しやすい風土があり、世界各国に展開するグローバル企業も多い国です。また、人口も増加を続けており、今後も経済が継続的に発展すると予想されています。SBI・バンガード・S&P500インデックスファンドを買うことで、アメリカ企業の成長とともに資産運用することができます。

特徴2:コストが低い

手数料も極限まで低く設定されており、コストが安いことも魅力の1つです。

買い付け手数料・解約手数料が無料であり、さらに、保有しているだけで毎年引かれていく信託報酬も年率0.0938%と驚異的な低コストを実現しています。

100万円分買ったとしても、年間でわずか938円しかコストがかからないというのは、この業界の中では革命的と言えるでしょう。

銀行員が手数料欲しさに高齢者に推奨しているボッタクリファンドだと、買い付け手数料だけでも3%とかします。

私の父が銀行員に騙されて買ったファンドが信託報酬が年率2%以上だったことを考えても、やはりSBI・バンガード・S&P500インデックスファンドの手数料の安さは目を見張るものがあります。

特徴3:つみたてNISA対応で非課税

つみたてNISAとは、2038年までの間にスタートすれば、スタートから20年の間は毎年40万円分の投資信託(ファンド)を非課税で運用できる優遇制度のことです。売却益や配当金が非課税になるので、本気で資産するなら絶対に外せない制度です。

つみたてNISAで購入できるファンドには金融庁の厳しい審査があり、銀行が勧めてくるような手数料をボッタくるファンドは登録できません。

SBI・バンガード・S&P500インデックスファンドは つみたてNISAの対象ファンドであり、つまり、それだけ審査が行き届いた安心できるファンドということになります。

 

SBI・バンガード・S&P500インデックスファンドの3つの特徴は、

  1. 伝統的資産(株・債権)を買う
  2. 少額から投資する
  3. 手数料は出来る限り払わない
  4. 税金は出来る限り払わない

という資産運用の鉄則を満たしており、満場一致でおすすめできる金融商品となっています。

S&P500に対する懸念点

SBI・バンガード・S&P500インデックスファンドを構成しているS&P500にも懸念点があります。それは、過去10年間のリターンが良すぎたことです。

景気サイクルは好景気→不景気→好景気…と繰り返しており、過去10年間は好景気のサイクルでした。そのため、次の10年間は不景気のサイクルに突入すると考えられており、過去10年間ほどの成績(投資リターン)は得られないだろうと予想されています。そのため、短期間で資産を増やしたいという方には向かない商品となります。

とはいえ、S&P500は過去30年や50年といった長期的な視点で見ると堅実に成長しており、私たちが資産運用のゴールとして考える30年後や50年後の長期に渡って考えると、リターンが見込める金融商品と言えます。

S&P500に投資したその後

S&P500は世界の株式市場の時価総額(規模)の約半分を占めています。

そのため、SBI・バンガード・S&P500インデックスファンドを買うことにより、世界経済の半分に投資しているとも言えますし、半分しか投資できていないとも言えます。

投資におけるリスク管理は国際分散投資が基本ですので、SBI・バンガード・S&P500インデックスファンドを核にしつつ、他の先進国に投資したり新興国や債券に投資するなどして、資産運用全体のリスクを下げる必要があります。

ただし、最初から国際分散投資を目指そうとすると大変なので、今回は核となる一番大事な部分のみをご紹介しました。

長々と書いてきましたが、結局のところ実際にやってみるのが一番勉強になりますので、お金を貯める力(貯金)や稼ぐ力も伸ばしつつ、少額から始めてみるのが良いでしょう。

まとめ

再度、まとめです。

資産運用の初心者は、

  1. 貯金を増やす
  2. 伝統的資産(株・債権)から始める
  3. 少額から投資する
  4. 手数料は出来る限り払わない
  5. 税金は出来る限り払わない

というステップで資産運用していくのが鉄則で、この鉄則の条件を満たしているSBI・バンガード・S&P500インデックスファンドをつみたてNISAで買っていくのが基本戦略になります。

 

そしてSBI・バンガード・S&P500インデックスファンドは、ネット証券No,1とされるSBI証券で購入できます。

SBI証券は国内外の投資対象が購入可能(商品が豊富)、手数料が業界最安、非課税口座に対応(iDeCo、NISA、つみたてNISA)と、欠点が見当たらない万能な証券会社です。

口座開設は10分程度で完了できるので、まだ口座開設していない場合には口座開設しておきましょう。

 

日本は少子高齢化やグローバル化により、今後も消費税をはじめとした各種税金が上がっていくのが確実です。労働収入(会社の給料)の増加が見込めない中で、老後資金を貯めたり家計や自分の将来の生活を守っていくためには、資産運用が必要不可欠になります。

生活資金を守る手段の1つとして、資産運用に取り組むのは悪くない選択です。長期で取り組めばきっと良い成果につながるので、一緒に頑張りましょう!

資産運用の関連記事