あなたにとっての「部活」ってどんなイメージがありますか?

楽しい、つらい、面倒くさい…などなど、人によって、あるいは入っていた部活の種類によっていろんなイメージがあると思います。

私自身はどうかというと、中学・高校では陸上部、大学では少林寺拳法部に所属しており、中学時代の部活が一番楽しかったです。

なぜ中学時代の部活は楽しかったのか?『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』を読んでその謎が解けました。

発展する経済システムの5つの要素

お金2.0の中で、発展する経済システムの5つの要素について解説されていました。

これによると、自己発展的に拡大していく経済システムには必ず5つの要素が含まれるそうです。

  1. インセンティブ(報酬・メリット):お金や満足感、達成感、異性からモテる、称賛される、認めてもらえるなどを含む
  2. 時間による状況変化(リアルタイム性):天気のように常に状況が変化しており飽きない
  3. 不確実性:運と実力の要素があり、自分ではコントロールでいない部分がある
  4. ヒエラルキー:偏差値、年収、順位、肩書、身分のように、階層や序列がある
  5. コミュニケーション:参加者同士が交流でき、助け合ったり議論したりできる

の5つです。

うまくいく仕組みにはこの5つの要素があり、発展している会社や爆発的に普及するサービスの共通点となっています。

たとえばお金2.0に書かれていた例としてFacebookを見てみますと、

  • インセンティブ:いいねやシェアをしてもらえることで嬉しい、認めてもらえたなどの承認欲求を満たしてもらえる。
  • 時間による状況変化:ログインすれば常に新しい投稿があり、話題が常に入れかわる
  • 不確実性:いいね・シェアしてもらえるかは自分である程度コントロールできるものの、基本的には不確実(運次第)である
  • ヒエラルキー:友達の数やいいねの数、投稿内容による序列が存在する
  • コミュニケーション:いいね・シェア以外にもコメントなどで交流できる

と、見事に5つの要素が含まれています。

最近の株価は冴えないようですが、爆発的に、そして自律的に発展・拡大したのも頷けます。

楽しい部活には「発展する経済の仕組み」が含まれる

部活の話に戻りますと、楽しい部活には発展する経済と同じで5つの要素が含まれていました。

私が中学・高校時代にやっていた陸上部では、

  • インセンティブ:練習すれば練習するほど足が速くなる
  • 時間による状況変化:練習内容が日々変わり、自分自身も日々変化していく(そしてそれが実感できる)
  • 不確実性:大会での成績や自己記録の更新には運の要素が必要で、体調や天候、ライバルのレベル、応援の有無などによって変わる
  • ヒエラルキー:学年による序列や足が速い・遅いによる階級がある。しかしいつでも下克上が可能。
  • コミュニケーション:部員同士でのコミュニケーションが図れる

と、5つの要素が含まれていました。

実は高校時代は同じ陸上部でもそれほど楽しくなかったのですが、たぶん記録が伸び悩むようになりインセンティブが期待できなかったからだと思われます。

大学時代は少林寺拳法部でしたが、こちらも黒帯取得後は楽しくなくてすぐにやめてしまいました。たぶんこちらもインセンティブが無かったことが原因です。

黒帯までは昇級審査などで定期的に自分の成長を感じられる”報酬”があったのですが、初段を取ると1年後まで何もありません。大会も少ない部活だったためインセンティブを得られる機会が極端に減り、楽しさが感じられなかったんですね。

会社運営、商品開発、投資判断のご参考に

以上のように、発展するサービスや会社、楽しい部活には5つの要素が含まれています。1つでも欠けるとメンバーが離れていき衰退することになります。

「良い会社組織を作りたい」「発展するサービスをリリースしたい」というときには、発展する経済システム(5つの要素)を確認してみるのが良さそうですね。

また投資家目線で考えると、5つの要素がない商品や会社はどんなに素晴らしく見えたり社会的な意義があるように感じられたとしても、投資先としては微妙ということになります。発展・拡大していかないからです。

成長株にはなりえないので、もしも株価の大化けを期待するのであれば、5つの要素が含まれる銘柄を選ぶようにしましょう!