2018年10月に発生した株式市場の暴落・急落について振り返り、今後同様の暴落が起きた際の参考情報についてまとめてみました。

なお、暴落を事前に予知することは不可能なので、「ここまで暴落すれば株価が反転して上昇する」という”底”の判断基準についてのみ記載したいと思います。

セリングクライマックスの見極め1:個人投資家の信用買い評価損益率がマイナス20%以上

もうこれ以上下がらない「大底」を判断する1つ目の基準が、「個人投資家の信用買い評価損益率」です。

信用取引で買い建てをしている個人投資家が、平均してどれくらいの含み益や含み損を抱えているのかを表しています。

この数値がプラスのときは大部分の個人投資家が含み益になっていることになりますが、残念ながら普通はマイナスです。

そしてこの信用買い評価損益率がマイナス20%以上になると、「そろそろ暴落が終わる」と言われています。

2018年10月の暴落ではマイナス20%を通り越し、マイナス30%にも達しました。

松井証券では上記のように、松井証券で取引している顧客の信用買い評価損益率をツイッターで配信しています。

この情報を頼りにすれば、暴落が止まるタイミングを見極められそうです。

セリングクライマックスの見極め2:一日のストップ安銘柄の数が多い

大底を見極める判断材料は他にもあります。

暴落が起こるとその日の値幅制限の下限まで売られる「ストップ安」になる銘柄が増えますが、ストップ安になる銘柄の数が多い日が”底”になる可能性が高いようです。

2018年10月の暴落を例にすると、10月29日のストップ安銘柄は20銘柄となり、前日や前々日のストップ安銘柄数に比べると数が増えています。

2018年 ストップ安 株
2018年10月29日のストップ安銘柄

20銘柄でも少ない方なのですが、「ストップ安が増えたら相場の反転が近い」と覚えておいて良さそうです。

なお、2018年は2月にも暴落がありましたが、その時はストップ安の数が100銘柄近くありました。

セリングクライマックスの見極め3:追証の強制決済が終わった後

追証の強制決済が終わったタイミングも、これ以上の売り注文が出にくい状態なので狙い目です。

大手ネット証券会社ごとの強制決済のスケジュールは、暴落日(追証発生日)を基準として

  • 1営業日後:松井証券(維持率10%割れ)
  • 2営業日後:マネックス証券、松井証券(維持率10~25%割れ分)、楽天証券
  • 3営業日後:マネックス証券
  • 4営業日後:SBI証券
  • 7営業日後:カブドットコム

となっています。

2018年10月の暴落を参考にすると、大き目の下落が何回か起きていることがわかります。

暴落 日経平均 2018
2018年10月の日経平均株価チャート

1回の下落時に追証を抱えた個人投資家たちは、たいていの人が入金することで対応するので強制決済まではいかない場合が多いです。

しかし2回目の下落では入金できなくなり、泣く泣く強制決済されることになります。

大手ネット証券会社の強制決済のタイミングが4営業日目までに終わることを考えると、2回目の下落から5営業日目に反転上昇し始めたことにも説明が付きます。

本当の地獄はこれから始まる・・・かもしれない

ここまで暴落時の「底」を見きわめる方法としていくつかの参考データをご紹介しましたが、実はこれはまだ本当の「底」ではない可能性があります。

反転したといっても一時的なリバウンドでしかなく、この後さらに2番底、3番底を迎える可能性も捨てきれません。

過去の暴落を見ると、1度目の暴落の後、さらにその1カ月後くらいに2番底を迎える例がよく見られます。

大きく下落したあとの上昇は株を買うチャンスではなく、「逃げるための最後のセーフティーネット」です。

損失を抱えている場合は「一番悪いときよりはまだマシ」と考えて、潔く損切りした方が良いでしょう。

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