ESG投資 流行 理由 テーマ

近年、ESGというテーマが注目されています。

環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮している企業へ投資する手法のことで、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用先に選んでいるほどです。

このESGがいかにうさん臭くて信用ならないものなのか?については以前別の記事で指摘しました。

関連記事:ESG投資ほど環境に悪い、企業統治が当てにならない、怪しくてうさん臭いテーマはない

今回はこのESGがなぜ話題になったのか?について、私なりの考えをまとめてみました。

背景がわかれば、今後ESGと似た理由でブームになるテーマが予測でき、先回り買いできることがあるかもしれません。

ESGが流行るのはお金の価値が下がったから

ESG投資とは、「お金以外のものに価値を見出して投資すること」と言い換えることができます。

本来投資とは金銭的なリターンを求める行為であり、

  • いまは価値が低いものを買っておき、将来値上がりしたときに売って差額(キャピタルゲイン)を得る
  • 定期的に配当金を出してくれる企業の株を買い、継続的に価値を分けてもらう(インカムゲイン)

といった手法がとられます。

お金を手に入れることが目的であればこれらの手段をとるのは自然なことで、資本主義においては正しい方法と考えられてきました。

資本主義においてはお金は価値ある物であり、お金を欲しがることは正義でもあったからです。

ところがお金が十分なほど手に入ってしまうと、お金には価値を感じられなくなってしまいます

ESGが生まれた背景はお金を欲しがる時代が終わり「お金は十分にある、だからお金以外のものが欲しい。」というフェーズに入ってるからではないか?ということが推測されます。

お金は貴重品ではなくなった

「価値あるもの」というのは、その時代、その土地ごとに希少な存在が該当します。

たとえば水が足りない!という地域ではお金よりも水の方が価値ある存在であり、誰もが欲しがる貴重な存在です。また、英語圏の国と貿易をしているけど英語を話せる人が1人しかいないような国では、その人は英雄みたいに扱われるかもしれません。反対に、自動車のポルシェは生産台数が少なく希少性が高いため高額で取引されていますが、大量生産されたら値段が下がるでしょう。

これと同じで、お金が足りない!という時代においてはお金が希少な存在であり誰もが欲しがるものでしたが、(すくなくとも金融市場においては)お金が十分にあり

  • お金が余っている
  • 投資先を求めてお金がダブついている

という現代において、お金そのものの価値はどんどん下がっています

だからこそESGのように「お金以外の部分」に価値を見出す人がいるのではないか?というのが私の考えです。

個人レベルでは到底お金が余っているとは言えない人が大多数でしょうし私自身「もっとお金が欲しいなあ」と思っている身です。

しかし少なくとも金融市場においてはお金が余っている状態であり、こういう時代ではお金そのものよりもESGのような目に見えないものの方に価値を見出してしまうのも仕方のないことなのかもしれません。

ESG投資はお金持ちの道楽

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ESG投資のようにお金(利益)を追い求めるのではなく、「この会社は善い行いをしているから」「この会社は社会的に意義のある活動をしていて応援したいから」といった理由で投資するのは、はっきり言って大金持ちの道楽でしかありません。

お金の使い道がないから”投資”という名目で出費するのはパトロン制度(個人スポンサー)に似ており、それはそれで得をする人もいます。

しかし繰り返しになりますがこれは投資ではなく道楽にすぎず、大金持ちが暇つぶしにやるようなものです。

貧乏人が資産運用のために取り組むテーマではないので、私のような庶民には関係ないものです。

金融資産がそれほど多くなく自分が庶民という自覚のある方は、ESG企業という理由だけで投資先を選ぶのは相応しくないと言えます。

もちろん「ESG企業は大金持ちが選ぶ投資先なのだから、株が買われて株価が上がるはずだ!それに便乗しよう!」と、利益を目的として投資するのであれば止めません。

しかし資産を増やしたい、株で利益を出したいと思っているのに、

  • ESGが流行っているから
  • 良いことをしている会社だから

といった理由で投資するのであれば、残念ながらいつまでたっても資産は増えないだろうな…と思いました。

どうしてもESGに興味があるならまずは莫大な利益を作り、「もうお金は十分あるからこれ以上はいらない。」となってから投資するのが良いでしょう。それまでは我慢です。

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