資産は手で触れることができる「実物の資産」と、手では触れない”権利”など「実体のない資産」のどちらがいいのか?
ツイッターでこの論争を見かけたので、両者のメリット・デメリットと私なりの意見を書いてみます。
実物資産の例とメリット
まず実物資産の例ですが、
- 土地やマンションといった不動産
- タンス預金のように手元に札束として置いてある現金
- 金貨やインゴット(金の地金)
- ワイン
- クラシックカー
- 高級腕時計
- 絵画
- ギター
などがあります。どれもこれも現物があるので目に見えるし手で触れることもできます。
数億円で取引されるストラディバリウスのバイオリンなんかも実物資産ですね。
実物資産のメリットとしては、
- 「もの」があるので取引する際に信頼されやすい
- 持ち運んだり隠したりすることもできるので資産隠しや相続に使いやすい
- 時代を越えてもある程度の価値が保証される
というのが挙げられます。
インターネットのないオフラインの環境でも取引できるので、南米アマゾンの未開の地でも取引することが可能です。
その反面、
- 盗まれる危険がある
- 傷がついて価値が下がることがある
といったデメリットもあります。
特に日本では地震や大雨による土砂崩れ、火山の噴火といった自然災害が多く、実物資産は濡れたり壊れたりして価値が毀損する危険性が高いです。
これらの損害を防ごうと思ったら、銀行の貸し金庫に預けたり特別な保管場所にしまっておくなど新たに保管コストがかかります。
実物のない資産の例
実物の無い資産の例としては、
- 証券(価値あるものを保有しているという権利)
- 銀行の預金残高
- 仮想通貨
- 情報
などがあります。
普段私がインターネット上で取引している企業の「株式」も、株券が廃止されたので実物が無く目には見えない資産です。
実物のない資産のメリットとしては、
- 世界中どこにいても現金など必要なものに交換することができる
- 無限に増やすことができる
- 価値が毀損しにくい
- 保管コストがかからない
といったものがあります。
デメリットとしては
- 記録が残るので資産を隠しにくい
といったところでしょうか。
実物のない資産は、資産価値の根拠となるものが何かしらあるため、その「根拠となる何か」がなくなった場合には資産価値がゼロになる可能性も潜んでいます。
会社が倒産して株式の価値がなくなったり、銀行が破綻して預金がなくなったり・・・ってことですね。
銀行預金については各国の法律により銀行が破綻してもちゃんと返金される仕組みが整っていたりしますが、実物がないのでトンズラすることも理論上は可能です。
実物資産と実物のない資産、どちらがいいのか?
さて、実物資産と実物のない資産、どちらがいいのか?の論争ですが、どちらにも一長一短があるので結局は自分のライフスタイルに合った方を選ぶのが良いとしか言いようがありません。
100年くらい前まではインターネットが存在せず、交通網も発達していなかったので人やモノの移動も少なかったです。そういう時代では実物資産がほとんどで、またそれで十分でした。
しかし現代はインターネットがあるし交通網も発達しているため、人やモノ、情報などの移動が容易です。日本人だけどインターネットを駆使して海外で仕事をしている人や、決まった場所に家を持たない「ノマド」という働き方をする人もいます。こういう時代には、移動する度に一緒に持ち運ばなければならない実物資産は負担でしかありません。
定期的なメンテナンスが必要な資産の場合は手間がかかって仕方ないですし、いかに資産と言えども実物があるとデメリットばかりが目立ってしまいます。
ライフスタイルに合わせる
ということで、今後もいま住んでいる場所からあまり移動することがないという方は実物資産、世界中を動き回りたいという方は実物のない資産を持つのがベターです。
- 移動する予定がない:実物資産
- 移動する予定がある:実物のない資産
それぞれにデメリットはありますが、ライフスタイルを維持するためになんとかしてカバーするしかありません。
私も日本で一生涯生活するのは難しいと感じているため、ちょっとずつ実物以外の資産を増やしています。
最近はインターネットがあれば世界中どこにいても仕事ができるようになっていますし、本や雑誌も電子データで読めるので移動時の荷物も少なくて済みます。
1ヶ所にとどまりたくない!あちこち動き回りたい!という人にとっては良い時代です。
資産の種類についてはどちらが良い・悪いというものではないので、ご自分の生活スタイルに合わせて選んでいってください。
以上、実物資産と証券(実物のない資産)、どっちがいいのか問題についてでした!