今日は3月11日、東日本大震災の発生から10年目となる節目の日です。

3.11ほどの大災害を経験しても、人は過去のことを忘れていく生き物です。忘れっぽいからこそ、私のように嫌なことがあったとしても一晩寝たら忘れてしまい、翌日からまた新しい気持ちで一日をスタートできるとも言えますが、災害への備えに関していえば忘れっぽいことは命取りになりかねません。

日本のどこかで災害が発生する度に慌てて防災グッズを買いそろえる人がいたり、災害の被害に遭ってから初めて防災グッズを使おうとしたら電池切れでライトが点灯しなかったり、保存食が期限切れになっていて本当に必要な時に食べられなかったりするパターンもあります。このような「ありがちな失敗」を最小限に抑えるためには、定期的に保存食を手に入れたり防災用品を点検したりする習慣が必要です。

でも「定期的に確認」っていっても、正直面倒くさいですよね。

そこで今回は、災害への定期的な備えを自分で行う必要がなく、半自動的に食料や水の確保に役立ってくれる株主優待制度についてご紹介します。半年~1年ごとに食料や水が送られてくるので、災害時の食料確保に頭を悩ませなくても済みます。

株主優待で食料品がもらえる企業の探し方

株主優待として食料品を提供している企業は、証券会社にログインしてからスクリーニング機能を使うことで簡単に見つけることができます。一例として、私が使っているSBI証券での探し方を見てましょう。

SBI証券

 

ログイン後、銘柄検索にて株主優待を出している企業を探します。

 

検索方法はいろいろありますが、「株主優待」を選ぶことで一覧が表示されます。

 

「食料・飲食券」を選択します。自社や関連グループで経営している飲食店の割引券を出している企業も表示されてしまいますが、一覧には優待内容が記載されていますので、サービス券やクオカードを出してる企業を避け、「自社製品」や「お米」「ミネラルウォーター」を出している会社を選んでいきましょう。

ちなみに、優待権利確定月の欄を選択することで、「株主優待をもらえる権利」の月ごとに探すことも可能です。権利確定月に株を持っていれば、その数カ月後に株主優待が自宅に届きます。

関連記事:配当金・株主優待はいつもらえるの?買ってすぐではなく権利確定日の2~3カ月後が多いです

 

以上の手順を踏まえ、株主優待として食料品や防災グッズがもらえる企業の一例を見てみます。

缶詰:日本水産(1332)、マルハニチロ(1333)など

保存食の王道といえば缶詰!

日本水産やマルハニチロなど、多くの企業で缶詰を株主優待にしています。優待がもらえるための保有株数が決まっているので、必ず優待獲得株数も確認しておきましょう。

日本水産(1332)の株主優待 500株以上で3000円相当の品物がもらえる
マルハニチロ(1333)の株主優待 100株以上で自社グループの製品がもらえる

水:TOKAIホールディングス (3167)、日鉄鉱業 (1515)など

の確保は災害時だけではなく平時でも超重要です。株主優待なら定期的に水を送り付けてくるので、買い忘れる心配がありません。

TOKAIホールディングス (3167)の株主優待 100株保有で天然水(500ml入)12本など
日鉄鉱業 (1515) 100株保有でミネラルウォーター(1.1l入12本)を1箱など

お米、麺類:高松コンストラクショングループ (1762)、日東富士製粉 (2003)など

カロリーの確保には、お米や麺類といった炭水化物が欠かせません。これら主食も株主優待で揃えられます。

お米は「お米券」で出している企業もありますが、防災の観点ではチケット(券)ではなくお米の現物を届けてくれる企業を選びたいところです。

高松コンストラクショングループ (1762)は100株以上の保有で、新潟県南魚沼産コシヒカリ新米5kgの株主優待
日東富士製粉 (2003) 3,000円相当の自社関連製品(乾麺)がもらえる

その他:オリックス(8591)、日本たばこ産業(2914)など

主食や水、おかずになる缶詰以外にも、保存食を出している企業はあります。

たとえばオリックス(8591)は「ふるさと優待」というカタログギフトを優待品にしていますが、カタログで選べる商品の中には保存食がありました。

5年間の長期保存が可能で、ゼンザイやお粥、白飯、おこわ等、1人なら3日くらいは食いつなげる量が入っています。毎年もらう必要はありませんが、オリックス株を長期保有しつつ、5年に一度くらいのペースで保存食をもらえれば災害時にも何とかなりそうです。

また、高配当でも有名なJT・日本たばこ産業(2914)も、カップラーメンやパックご飯を優待品にしています。

株価は低迷していますが、配当金をもらいつつ定期的に食料を確保できるという意味では優秀な銘柄といえそうです。

日本では災害から逃れられない

災害の被害に遭わないのがベストですが、残念ながら災害大国・日本では災害から逃れることはできません。日本に住んでいる限り、一生のうちに一度や二度は深刻な災害の当事者になってしまう可能性があります。

いざという時に備えて、3日~1週間分の水や食料を各自で確保しておくことが推奨されています。災害の被害に遭うと人は心の余裕が無くなり、水や食料の買い占めが発生します。普段から水・食料を確保しておき、事が起きた時でも冷静に対処できるだけの備えをしておきたいですね。

災害は忘れたころにやってきますが、優待品も忘れたころに届けられます。ほったらかしで水や食料を確保し、災害への備えに役立ててください。

 

株主優待をもらうためには証券口座を開設し、株を買わなければなりません。証券口座を開設していない方は、まずは証券口座を開設しましょう。

 

防災の良書「東京防災」キンドル版は0円です。こちらもどうぞ。

株主優待の関連記事