「株取引の売買記録をつけたほうがいい」と、書籍やネットでは紹介されています。
しかし、取引日記をつけたほうがいいと聞いたことがあるけど面倒だな…、日記をつけると何かいいことがあるの?なんて考えてしまう方もいることでしょう。
そんな方は、今日から実際に取引記録を付けてみてください。
取引記録を日記で残すとあなたを成長させてくれます。
今回は、株取引の投資日記を書く意味、書き方、メリットについて紹介します。
なぜ投資日記をつけたほうがいいのか?(メリット)
自分の取引記録には、株式取引成績向上のヒントがいっぱい詰まっています。
株取引は勝ったり負けたりしながらトータルで利益を残していくものですが、あとから考えるとなんでこんなトレードをしたのか?と首をひねってしまうこともあります。
大損をして、後から考えてなぜ損切りしなかったのか?と後悔する方もいるはずです。
今も含み損を抱えた銘柄を保有している方もいるでしょうし、利食いが早すぎて保有していた銘柄がその後爆上げして悔しい思いをした人もいるのではないでしょうか。
実は株取引で負けている人は、このような失敗を何度も何度も繰り返している場合が多いです。
なぜ同じ間違いを何度も繰り返してしまうのかというと、
- 自分がどんなときに負けているのか?
- どんなときに買いたくなってしまう(売りたくなってしまう)のか?
- 同じ間違いを何回繰り返しているのか?(具体的な回数)
- その間違いをなくすことで、いったいどれくらい損失を回避できたり、利益を得ることができたのか?
こういった情報を理解しておらず、取引での『間違い』がどれだけ愚かな行為であるかを理解できないからです。
そして投資日記(トレード記録)のような自分の取引の失敗パターンを記録しておくことで、同じミスを繰り返さなくて済むようになります。
チャールズ・エリスの『敗者のゲーム』には、「素人は失敗を減らすだけで成績が向上する。」といった逸話が冒頭に出てきます。
これと同じで私たち投資家も、「同じミスを繰り返さないだけで成績が向上する」と考えれば、過去のミスを記録しておく投資日記・投資ノートがいかに重要な意味を持つか理解できると思います。
また、株取引で負けている方は、自分が負けている理由がわかっていない方も多いはずです。わかっていたら負けているはずがないですからね。
だから投資日記では取引の失敗の記録を残しておきます。日記をつけて、失敗を蓄えておきます。
失敗記録を蓄えても意味がないと思うかもしれませんが、「このような場面で自分は売買を繰り返している」ということもわかり、自分の取引の癖や自分が負けるパターンというのが明確にできます。
ポジションを持っていないときに大きくブレイクアウトしてしまい上昇すると思って高いところで買ってしまった、逆に大きく下がったので期待だけでまだ下がるだろうと安い価格で売るなんてことはありがちです。
損切りしようと考えていたポイントを超えたのに決済できなかったなど、弱点もはっきりと認識できます。
日記をつけていると失敗した箇所での売買を避けられるようになるでしょう。
あとから振り返ることで、このようなときはポジションをもってはいけないといったことが認識できるようになります。
このことで、取引をしてはいけないルールを作れます。やってはいけないことがわかると、自分の弱点も克服できます。
トレードの根拠を記録する
投資日記には取引ごとの”根拠”も記録しておきます。
トレードの根拠を一緒に記録しておくことで、自分のポジションを持ったときの考え方もわかります。
後から読み返すことで、なぜこんなところで買ったのか、自分はこういう場面ではこんな考えをするんだと冷静に分析できるようになります。
このように取引記録をつけてあとから振り返るだけで、株取引の成績を向上させる可能性もあります。
株取引は資金さえあれば、自分の考えたタイミングで市場が開いている間は自由に取引できます。
これはつまりルールがないと「際限なく優位性のない取引を繰り返すこともできる」ということです。負けを記録しておくと、やってはいけないことが明確になり規律を持って取引できるようになります。
勝ちパターンを蓄積する
負けた記録だけではなくもちろん勝った記録もつけ、成功体験を記録に残して積み上げておきます。自分の長所を伸ばすという意味でも勝った記録の蓄積は大切です。
勝った記録を見直すことで、成功体験を脳に刷り込むこともできるでしょう。
日記をつけることで自然とチャートを見たときにポジションを持てるようになります。
チャートを分析して売買しているテクニカルトレーダーなら、株価上昇後、考えていたポイントまでプルバックがあったときに買った場面では勝てているなど自分の得意パターンがわかります。ファンダメンタルズで株を購入している方も、その時の対象企業の業績やニュースなど注目する点も明確にできるはずです。
自分のルールの通り売買してしっかり利益が出た記録を残すと、より自分に有利な環境で株取引ができるようになります。
投資日記を書くデメリットと気を付けること
投資日記を書くメリットを上述しましたが、デメリットももちろんあります。
それは、時間を取られるという点です。デメリットはただこれ一つだけです。
時間が取られるからつけていないという方も多いでしょうが、株取引をしているなら今日からはじめましょう。メリットが多すぎるので。
また日記はつけるだけで満足してはいけません。定期的に見返すことが大切です。何度も見て脳にインプットしましょう。
日記を見直していると、自分の取引を客観的にみられるようになります。自分の取引を見つめなおすと新たな発見があるかもしれません。
一度目に読み返したときには何も感じなかったところが、時間をおいて二度目三度目に読み返したときには新たな気づきが得られるかもしれません。
トレードを振り返ると、ルールがしっかりと守られているかも確認できます。
投資記録の書き方(記載項目)
投資日記の付け方についてご説明します。
記録に必要な項目は
- 銘柄コード
- 銘柄名
- ポジションを持った日付と決済の日付
- 株数
- 購入株価
- 決済株価
です。
このほか、
- 事前に考えていた利益確定ラインと損切りラインの株価
- 現物買い・信用買い・信用売りといった売買の種別
- ポジションを持った時の根拠
- 決済時の根拠
- チャート画像
も記録しておきます。
デイトレードで売買回数が多いと取引の記録をつけるのに手間がかかりますが、記録はつけましょう。
記録の方法は大学ノートに手書きしてもいいですし、エバーノートやエクセルなどwebノートを活用してもいいです。
上記の項目を書き込んでチャートを貼り付け、後から見やすいように記録をつけておきましょう。
- 銘柄コード
- 銘柄名
- ポジションを持った日付と決済の日付
- 株数
- 購入株価
- 決済株価
- 事前に考えていた利益確定ラインと損切りラインの株価
- 現物買い・信用買い・信用売りといった売買の種別
- ポジションを持った時の根拠
- 決済時の根拠
- チャート画像
投資日記をつけて成績向上
現在株取引の成績が思わしくない方は投資日記をつけるのを習慣にしましょう。
日記を付ければ必ず勝てるとは言い切れません。しかし、日記を後から見て自分のトレードを冷静に分析すると、優位性を持ったポイントや自分の弱点もわかります。取引ごとに記録していくのはなかなか手間がかかりますが、投資日記にはこの手間に見合う価値があります。
- 失敗した取引を振り返ることができる
- 失敗した原因を明確にできる
- 自分の取引のクセや、失敗するパターンを理解できる
- 株取引における自分の弱点が明確になる
- 取引の根拠が明白になり、規律を持って取引できるようになる
- 勝ち取引も記録することで、成功体験を積み上げることができる
- 定期的に見直すことで、客観的な取引ができるようになる。新たな気付きも得られる。
人間は忘れっぽい生き物です。時間がたつと、過去のことはすぐに忘れてしまいます。
だからこそ、株取引でも同じ失敗を繰り返す人が多いです。
自分の取引の記録を残すことで同じ失敗を繰り返さないようにし、負け取引を減らし、勝ち取引を増やし、資産も増やしていきましょう。
また、毎日投資記録を付けるのが理想ですが、なかなかそうもいかない方が多いと思います。「毎日記録を付けるのは無理!」という方は、せめて日々の資産状況のチェックだけでも欠かさないようにしましょう。自動で投資履歴を記録してくれるスマホアプリを使えば簡単です。