私は昔からタバコの煙や臭いが大嫌いでして、自分ではもちろん吸いませんし、喫煙者の近くを通るときには息を止めているくらいです。そんな私ですが、日本たばこ産業(JT・2914)やブリティッシュアメリカンタバコ(BTI)といったタバコ関連の銘柄を保有しています。
今回は私がなぜ嫌悪しているタバコ銘柄を保有しているのか?についてまとめてみました。
高い利益率
タバコ銘柄の素晴らしいところは、なんといってもその利益率です。
製造コストの割に高い価格で販売されているため、利益率を高くすることができます。
あのウォーレン・バフェットはタバコについてこのように語っています。
It costs a penny to make. Sell it for a dollar.
「タバコは1ペニーで製造できて、1ドルで売ることができる。」
なぜイギリスの通貨単位であるペニーとアメリカの通貨単位のドルで表現するのかは謎ですが、ペニーはポンドの百分の一なので、ドルと比較してもだいたい百分の一ドルに該当します。
日本でいえば、「1円で製造できて100円で売れる」という意味です。
飲食店では一般的に原価は販売価格の3分の1が目安らしいので、タバコがいかに利益率の高い商品なのかお分かりいただけると思います。
参入障壁が高い
タバコは製造コストが安くて利益率が高いですが、それは生産ラインが完了した”後”の話です。実はタバコの生産工場を作るには莫大な資金が必要になるため、これが1つの参入障壁になります。
また、日本のようにタバコ産業が保護されていることもあり、新たにタバコ会社を起ち上げたり販売したりするには特別な許可が必要です。
これらの事情により、既存のたばこメーカーは利益を独占することができます。
財務が健全、配当金も毎年還元
利益率が高いことにより、たばこ会社は無借金経営ができます。
会社にお金が入ってきているのか?それとも出ていっているのか?を表す「フリーキャッシュフロー」も基本的にはプラスになるため、家計に例えると毎年貯金額を増やしている状態です。

財務が健全なため、配当金も毎年株主に還元してくれています。
2008年に起きたリーマンショックの時期でさえ高配当を維持しており、不景気な時期でも配当金による利益が期待できる「ディフェンシブ銘柄」の筆頭です。
暴落時に物色される日本版「高配当株」ランキング。配当金利回り5%以上、時価総額1000億円以上でスクリーニングしました
現在の配当利回りは5.8%。株価が2500円まで下がれば6%にも到達します。
中毒性(継続課金)
タバコは麻薬やアルコールと同じように中毒性の高い商品です。そのため一度でも喫煙の習慣ができてしまった人は、一生涯に渡って喫煙し続けることになります。
儲かりやすいビジネスモデルの1つに、定期購入や月額会員制の「継続課金型のビジネス」がありますが、タバコは商品の中毒性により、この継続課金型のビジネスモデルを構築しています。
タバコの中毒性・依存性は非常に強烈なため、多少値上がりしたくらいでは喫煙の習慣はなくなりません。そのため増税や価格改定のリスクも軽微です。
また、景気の影響も受けません。
私がタバコ株を買う本当の理由
以上のように、
- 利益率が高く儲かりやすい
- 参入障壁が高い(ライバルが少ない)
- 財務が健全で高配当
- 中毒性が高いため継続的な利益が見込める
ことから私はタバコ株を買っています。
・・・というのは表の理由でして、本当は全然別の理由でタバコ株を買っています。
私はタバコが嫌いで「喫煙者の近くを通るときには息を止める」と冒頭に書きました。
それくらいタバコが嫌いだし喫煙者のことも嫌いなわけです。
そんな非喫煙者の私がタバコ株を買う理由なんて1つしかないじゃないですか?
喫煙者から金をむしり取ってやろう
という魂胆です。
これまでは
- 喫煙者がばら撒く発がん性物質を含んだ煙
- におい
- ポイ捨てされた吸い殻
- 仕事中に「タバコ休憩」なる謎の理由により堂々とサボる
といったものにより多大な迷惑を受けてきました。
「喫煙者〇ね」と何度思ったことでしょうか。
タバコ株を買うことにより、これらの迷惑の一部が配当金という形で帰ってきます。
- 配当金=迷惑料
です。
喫煙者がタバコメーカーに払ってきたお金の一部が、配当金の姿に変わり私の元へとやってきます。つまりタバコ株を保有し配当金をもらうことで、間接的には喫煙者からお金をもらっていることになります。
「喫煙者〇ね」と何度も何度も何っっっ度も思ってきましたが、今後は喫煙者のおかげで年間にいくらかのお金が手に入ります。
喫煙者の財布から合法的にお金をむしり取ることができるため、私はタバコ株を買いました。これがタバコ株を保有する本当の理由です。
で、実際どーなっているのか?ですが・・・


ま、まいなす、じゅうさんぱーせんとぉおおおお!!!
喫煙者から迷惑料をもらおうと計画していたら、逆にお金を取られていたでござる。
喫煙者から間接的にお金を頂こうという私の計画は早くも頓挫しそうですが、気長に保有したいと思います。
参考リンク:
タバコ株については過去にこのような記事も書いています。
日本たばこ産業(JT、2914)の事業リスクと株主優待、配当金、今後の株価について
バフェット先生がタバコ株に投資しない理由です。
「体に悪い商品」が儲かる理由。