最近ツイッターで話題になった銘柄に「うるる(3979)」という会社があったので、調べたことについてまとめておきます。
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財務は良い
うるるですが、話題になった直後に四季報に掲載されている財務情報を調べてみましたが、結構いい感じに見えたんですよね。
- 売上高
- 営業利益
- 経常利益
が順調に伸びているし、自己資本比率も60%以上あります。
キャッシュフローは健全な成長を予感させる
- 営業CF プラス
- 投資CF マイナス
- 財務CF マイナス
となっていますし、将来的な配当金の原資になりうる利益剰余金も残っています。
有利子負債も少ないし、財務面では完璧だと思っていました。
ところが、株価は上場後に5,500円の高値を付けた後は下落の一方通行になっており、この点が不思議だったんですよね。
上場直後に下方修正も
うるるについて調べていくと、過去には上場直後に下方修正するなどをやらかしており、投資家から信頼されていないようだということがわかりました。
ときどきあるのですが、上場するために業績を実態以上に良く見せかけ、上場して投資家からお金を集めたら「思っていたほど業績がよくありませんでした」と白状して株価が下がるパターンがあります。(上場ゴール)
うるるは上場ゴールのパターンに当てはまる可能性があり、「いまいち信用できない。投資対象に値しない。」と投資家たちから思われているのかもしれません。
財務状況が良いのに株価が冴えない理由の1つですね。
BPO事業が運任せ
うるるの事業内容としては写真販売や入札情報サービスなどを展開しており、他にも業務の1つとしてBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を行っています。
BPOとは何かというと、
- 人材育成
- 経理
- 受付業務
- コールセンター
などの業務を代行する仕事のことで、たとえば新入社員の研修を外部企業に委託する場合はうるるのような会社に依頼するわけです。
依頼する会社側からすれば、時間がかかる面倒な業務を専門業者にお願いすることができますし、自社で独自のノウハウを考案しなくても良いので本業に専念できます。
またうるるのようなBPO事業を行っている会社からすれば、人材育成などのBPO業務に専念できるためノウハウを確立しやすく、一定の成果を保証できるようになってきます。
両者にとってメリットがあるためにBPO事業が成り立つわけですね。
それで、このBPO事業をうるるも行っているわけですが、仕事を受注できるかできないかは運任せな部分があるようです。
BPOが上手く受注できれば会社全体の業績が上向きますが、営業が失敗してBPOが受注できなければ業績がマイナスになります。
こういった運任せな要素が不安材料となり、「投資できない」という判断に結びついているようです。
社長が持ち株を売却。これが意味することは?
ツイッターで話題になった数日後、うるるの社長(星 和也さん)が自らが保有するうるる株の一部売却を発表しました。
社長による自社株式の売却というのは、一般的にはマイナスイメージです。
自分の会社について他の誰よりもよく知っているはずの社長が、自分の会社の株を手放すわけですから。
自分の会社に将来性があって成長し続ける、もっと儲かって株価も上がっていくと思っているのであれば、手放すはずがありません。
つまり自社株を手放すということは、「自分の会社に将来性がない」と見限っているという見方もできるわけです。
こういった理由から翌日のうるる株は特売りからスタートし、前日比マイナス10%、その後は値を戻して6.6%安で引けました。
なぜ下落後に株価が戻ったのか?
ここで疑問なのが、社長による自社株売却発表により下がった株価がすぐに戻った(買われた)ことです。
社長が株を売った→今後の見通しは暗い…というネガティブニュースに反応したのであれば、買う人がいなくなるため株価はもっと下がるはずです。
うるるはレター「2」ということで、社長が自社株を売った理由を翌日に発表しています。
これによれば「税金を支払うためには株を売るしか手段がない」「もしもいま自分が死んだら遺族に莫大な相続税がかかってしまう」というやむを得ない事情により自社株式を売却した旨が記載されています。
このことにより、「うるるの事業見通しが暗いわけではない」という好材料になり、うるる株が買われていったと見ることができます。
しかしそれにしては買われるのが早すぎじゃね?
レター2が発表される前から買われてたじゃん。
と思ったのですが、その答えとなりそうな考え方を説明してくれている方がいました。
相続税対策の売買なら、売買時の株価は安い方が有利です。年齢が若いから相続税対策を急ぐ理由も薄いです。今後も株価が下落する見通しなら、資産管理会社への譲渡を遅らせた方が有利です。社長が今の株価が大底で、今後株価が上昇すると考えて、今のうちに相続税対策を完了させたのではと思いますね。
— DAIBOUCHOU (@DAIBOUCHO) 2018年11月22日
↑この考えによれば、社長は「今の株価が大底であり、これから株価が上昇していく」と考えていると予想することができ、一度下がった株価がなぜか上昇して戻ったことにも説明が付きます。
この予想が正しいのか正しくないのかは数カ月後にならないと分かりませんが、1つの考え方として覚えておいて損はなさそうです。
良い銘柄を厳選して取引したい
今回はうるる(3979)の株価下落の理由と事業内容、大株主が売却発表したのになぜ株価が元に戻ったのか?についてまとめてみました。
星社長の真意は不明ですが、もしもDAIBOUCHOUさんが予想するように「今の株価が大底」なのだとすれば、これから期待できることになります。
地合いは悪いですがこういった将来性のある(?)銘柄に絞って取引したいですね。