北の達人 テンバガー

2017年に株価が10倍(テンバガー)になったことで話題になった北の達人コーポレーション(2930)について調べてみました。

テンバガー銘柄を研究することで、今後同様に10倍化する銘柄を早期に発見できるかもしれません。

北の達人の株価チャート

まずは北の達人の2015年~2018年の株価チャートをご覧ください。

2017年の1年間だけで10倍化、翌年2018年だけでも最大時に2倍化していたことがわかります。2016年に仕込んでいれば20倍(ダブルテンバガー)です!

北の達人 テンバガー
北の達人コーポレーション(2930)の株価チャート 2015年~2018年

2017年に10倍化した当時は、途中で何度も急騰しながら徐々に株価が上昇していたことがわかります。

北の達人 2017年 株価
北の達人コーポレーションの株価チャート(2017年)

2018年も上昇が継続し、最大時には年初来で株価が2倍になっています。

北の達人 株価 2018年
北の達人コーポレーション(2930)の株価チャート 2018年

北の達人のビジネスモデルからテンバガーを探る

北の達人コーポレーションは健康食品や化粧品のネット販売をしている会社です。

ホームページの情報を元に、ポイントになりそうな部分をピックアップしておきます。

  • 売上の7割は定期購入による継続課金(ストック型ビジネス
  • あえてブーム商品を避け、地味な商品で稼いでいる。(ライバルが不在なので、価格競争や過剰サービスによる消耗戦を避けることができる)
  • ライバル企業に勝とうとするのではなく、顧客満足度を重視している。その結果宣伝広告費が削減でき、浮いた資金と人材を顧客満足度の向上のために振り分けることができる。
  • 顧客の満足度が向上した結果”口コミ”が起こり、広告費をかけなくても自然に売り上げが増えていった。
  • 宣伝・広告といった無駄なコストをかけないのによく売れるため、「利益率の高い企業」へと変貌した
  • 商品がモンドセレクションを受賞するなど、良い商品を作っていることが客観的に明らかである
  • 2012年アンビシャス上場、2013年札証本則市場に指定替え、2014年東証2部へ指定替え、2015年に東証1部へ指定替え・・・と順調にレベルアップしている
  • 2015年からは海外(台湾)でも営業を開始。海外での販売にも積極的である。

特筆すべき点がたくさんあったので1つずつ私なりの解説を加えておきます。

ストック型ビジネス

継続課金のストック型ビジネスとは、「一度契約してしまえば翌月もそのまま契約を継続してもらえるビジネスモデル」のことです。リピーター型の商売ですね。

携帯電話や動画サイトのように、一度契約すれば翌月も、そのまた翌月も継続的に料金を支払ってもらえるタイプの事業です。

リピーターが多いので新規顧客の獲得に力を入れる必要が無く、途中で解約されない限りは毎月売り上げが積みあがっていくことになります。

そのためストック型ビジネスでは「顧客に満足してもらい、いつまでも使い続けてもらうこと」が重要です。

あえてブーム商品を避け、地味な商品で稼ぐ

健康食品は流行り廃りが激しいです。

そのためブーム商品を売れば一時的に売り上げが伸びますが、ブームが過ぎれば元通りに戻ってしまいます。

北の達人でも以前はブーム商品を販売していたようですが、その時はブームが終了して売上がガクッと落ちたそうです。このことから教訓を得て、現在では「ブームには乗らない」ようにしているそうです。

ブームを避けることでライバルがいない場所で地道に稼ぐこともできます。

また、商品がライバル会社と競合しないため、売上を増やすために競争する必要がありません。

価格を下げたり過剰なまでなサービスを行ったり、少しでも売り上げを伸ばそうとして広告費を増やしたりする必要もありません。これにより余分なコストが減らせます。

余分なコスト(お金、時間など)が減らせれば

  • 従業員に給料として還元し、従業員のモチベーションを上げることができる
  • 顧客サービスの充実につなげることができる

といったメリットが生まれます。

北の達人ではとくに顧客満足度の向上に力を注いでおり、満足してくれた顧客が自発的に口コミを行ってくれるようにもなりました。テレビCMなどで広告費を出さなくても自然に宣伝してもらえるため、口コミ効果で売り上げアップにもつながったそうです。

良い商品を作っていることが客観的に判断できる

北の達人の商品は、国際品評会「モンドセレクション」において健康食品及びスキンケア商品などが受賞しているそうです。

モンドセレクションは「お金を払えば誰でも賞がもらえる」などの悪い噂もありますが、賞をもらえるのは一部の商品だけとなっています。

外部の機関から評価されているという事実は、お客さんからすれば商品を購入する決め手になりますし、投資家からすれば株を買う材料になります。「芸能人の〇〇さんも推薦!」とか、「大量保有報告書に有名投資家の〇〇氏の名前がある」に近いものですね。

  • 客:購入の決め手になる
  • 投資家:買い判断の材料になる

結果として商品が売れるため企業の売上は伸びますし、株も買われるため株価が上昇していきます。

指定替えによるレベルアップ

北の達人は2012年にアンビシャスに上場したあと、毎年のように上位市場へと指定替えしています。

企業自体が順調に成長していることが分かるため、成長途中で買っておけば将来大化けした時に莫大な利益につながることがあります。

海外でも事業を開始

北の達人はネット通販の会社なので世界中どこでも事業を行えます。

実際に海外展開するかしないかは、やる気があるかどうかだけです。

海外事業の第一歩として台湾でも営業を開始したということは、海外展開にも積極的であり今後は他の国々でも事業を行うことを予見させてくれます。

投資家的には買い材料になるため、株価上昇につながります。

以上のように北の達人コーポレーション(2930)にはテンバガーにつながる要素がいくつも存在していたことがわかります。

北の達人の財務分析からテンバガーの秘密を探る

次に財務分析ですが、財務分析は私の苦手分野なのでテンバガーの秘密がまだよくわかっていません。

しかし業績ハイライトを見てわかる範囲で気になった点をピックアップしておくと・・・

  • 売上高、経常利益、当期純利益が毎年順調に伸びている
  • 利益の伸びに対して株価はそれほど反応していない
  • 第15期(平成28年2月期、テンバガーの前々年?)だけ経常利益が前年比マイナスになり、営業フローが減り、現金等の期末残高も減っている。また、従業員数が23人→45人と倍増しており、この年にテンバガーのキッカケとなる”なにか”があったことが伺える
  • 株式分割を繰り返しており、分割スピードが徐々に速くなっている

といったことに気付きました。

とくに第15期になにかがあったことは間違いないので、この時期に北の達人で何が起きていたのかを明らかにすることでテンバガー銘柄を発掘するヒントが得られそうな気がしました。

財務分析は苦手ですが、これからじっくり見ていきたいと思います。

10倍株候補を発掘したい

今回は10倍株(テンバガー)銘柄として北の達人コーポレーション(2930)を調べてみました。

いくつか特徴的なポイントがありましたので、ほかの銘柄でも同様のポイントが見つからないか意識してみたいと思います。

また北の達人の場合、以前読んだ『会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方』に書かれていた”10倍株の条件”も満たしていました。

こちらも将来株価が10倍になる銘柄を探すのに役立つと思いますので、テンバガー候補を探している方は参考にしてみてください。

投資初心者の入門本『会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方』の感想。大化け株を見つける実践的な内容