魅力的な商品がもらえて値下がりリスクにも強い優待銘柄は、買い方を工夫することで利回りを極限まで高めることができます。
具体的なコツは以下の7つです。
- 優待内容、予算、最終売買日を確認し、自分に合った株を買う
- 「優待+配当」の利回りを見てトータルの割安度を調べる
- 優待改悪や廃止リスクのある業績の悪い企業は避ける
- 同じ優待がもらえるグループ企業は利回りで選ぶ
- 家族で最低単元を買い合って、効率よく優待を手に入れる
- できれば2単元買って、優待と値上がり益の両取りを狙う
- 優待がお買い物券の場合は、他の割引と併用してさらに利回りを上げる
今回はこの7点に着目し、優待株を効率よく手に入れる方法を解説しました。
このページで解説する買い方を実行すれば、株主優待が手に入るだけでなく家計を助けることにもつながるので、あまったお金を貯金することもできます。ぜひ今日から実践し、優待投資家としてデビューしてください。
1、優待内容、予算、最終売買日を確認し自分に合った株を買う
優待株を買う前に、
- 優待内容
- 必要な資金
- 最終売買日(権利確定日)
の確認をしておきます。優待内容を確認する目的は、株主優待をせっかく手に入れてもその優待を使いこなせなければ何の意味もないからです。
たとえばマルコ(9980)は優待で化粧品や女性用下着のカタログが手に入ります。しかし女性ものの商品なためほとんどの独身男性にとっては不要品になるはずです。
優待を手に入れるのにいくらの資金が必要かも調べておき、予算内でなるべくたくさんの優待+配当を手に入れられるように計算するのも欠かせません。同じ金額を投資しても、投資先によってはもらえる優待が2倍にも3倍にもなったりするからです。
また、優待株は優待をもらえる権利が手に入る日(最終売買日、もしくは権利確定日と呼ぶ)に向けて値上がりする傾向にあります。最終売買日を調べておき、その2~3カ月前の株価が安い時期に購入しておくのがおすすめです。
2、「優待+配当」の利回りを見て、トータルの割安度を調べる
株式投資でできるだけ得をしたいのであれば、優待だけでなく配当金の利回りも計算しておきましょう。
優待と配当金の利回りを合計した「合計利回り」の高い銘柄から購入するのがおすすめです。
利回りの高い銘柄は株価が下がりにくく損失が出にくいため、投資デビューしたばかりの初心者の方にも向いています。
利回りの計算式は以下のとおりです。
「優待金額+もらえる配当金の金額」÷ 株価= 合計利回り
(例)
- 優待は500円のクオカード×1枚
- 配当金が1株当たり年間10円、最低単元100株の購入で年間1000円もらえる
- 株価が600円
の優待株を買う時。
(500+1000)÷ 600 = 2.5
合計利回りは2.5%となります。
優待+配当の合計利回りが高い銘柄、および高配当株の探し方は下記のページで詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
3、優待改悪や廃止リスクのある業績の悪い企業は避ける
どんなに魅力的な優待を出している企業でも、業績の悪い企業の株を買うのは要注意です。業績の悪化に伴い、優待を出すだけの余裕がなくなって優待が改悪されたり、最悪の場合、優待が廃止されることがあるからです。
優待も配当金も、その企業の業績が安定しているからこそ株主に還元できます。業績が不安定な企業や業績が悪化中の企業だと、いずれは優待や配当金が出せなくなるかもしれません。
関連記事:忘れちゃいけない企業負担。株主優待投資では企業側の負担を計算して優待改悪・廃止リスクを回避する
とくに自社商品以外の金券を優待にしている企業は、業績悪化とともに優待がなくなる可能性が高いです。自社商品を優待にしている場合は、業績が悪化しても売れ残り商品を優待に回せばいいので意外と持ちこたえられます。
こういった事情も考えながら投資先を選ぶと効率よく資産を運用できます。
4、同じ優待がもらえるグループ企業は利回りで選ぶ
グループ企業の場合、同じグループ内の複数の企業が上場している場合があります。
そしてグループ企業の場合、会社は違っても優待の内容は同じだったりするので、各社の利回りを調べてもっとも利回りの高い株だけを買うのがコツです。
たとえばコロワイドグループの場合、
- コロワイド(7616):最低投資金額150万円、利回り1.3%
- アトム(7412):最低投資金額10万円、利回り4%
- カッパ・クリエイト(7421):最低投資金額13万円、利回り4.6%
の3社が上場しており、優待はどの銘柄を買っても「株主優待カード」です。
利回りはカッパ・クリエイトが一番高いので、この場合はカッパクリエイトを買うのが一番お得です。
もしも資金が10万円しかなくてカッパクリエイトが買えない場合は、アトムを買うことで同等の利回りを得ることができます。
5、家族で最低単元を買い合って、効率よく優待を手に入れる
配当とは違って、優待は保有株数に比例して受け取れる量が増えるわけではありません。
たとえば、株価が500円の優待株の場合
- 100株保有(投入金額5万円):クオカード500円×1枚
- 500株保有(投入金額25万円):クオカード500円×2枚
- 1,000株保有(投入金額50万円):クオカード500円×3枚
という優待内容になっています。
この場合、投資予算に余裕があるのであれば1人で500株とか1,000株分保有するよりも、同居の家族に協力してもらった方が得になります。
親や子供、兄弟や配偶者と合わせて、2名で100株ずつ保有したり、3名で100株ずつ保有したりした方が、より少ない投資資金でたくさんの優待がもらえるからです。
(例)
- 1名で500株保有(投入金額25万円)→クオカード2枚
- 2名で100株ずつ保有(2名義分の投入金額10万円)→クオカード2枚
※同じクオカード2枚をもらうのでも、2名で100株ずつ保有した方が少ない投資金額で済む。
ほとんどの優待株では最低単元(優待がもらえる最低保有数)のときが一番利回りがいいので、資金に余裕がある場合は家族で協力して買いましょう。
6、できれば2単元買って、優待と値上がり益の両取りを狙う
優待株は権利確定日に向けて徐々に値上がりする傾向にあります。
そのため、資金に余裕があるときは権利確定日の2~3カ月目のまだ値上がりしていない時期に2単元分買っておき、権利確定日に向けて値上がりしたタイミングで優待用の1単元を残し、もう1単元を売って値上がり益を得ることが可能です。
たとえば100株保有者にクオカードが1枚配布される銘柄の場合、200株買って権利確定日直前の値上がりしきったタイミングで100株だけ売却します。こうすれば100株売っても残り100株は手元に残っているので、優待はちゃんと受け取れます。
7、他の割引と併用してさらに利回りを上げる
株主優待が買い物券や割引券だった場合、他のクーポン券や割引券と併用することで、さらに安く買い物を済ませることができます。
たとえば私はコナカ(7494)で買い物をしたことがあるのですが、キャンペーンの割引価格に上乗せして、株主優待でさらに安くしてもらったことがあります。
こちらが罪悪感を抱くくらい安い値段で買い物ができたりするので、他の割引券が使えるときは優待買い物券と一緒に使用しましょう。 節約・割引のコツは別記事にもまとめてあります。
関連記事:お金が貯まるお得な習慣リスト!今すぐ始めて資産形成
株主優待銘柄の賢い買い方(まとめ)
長くなったのでまとめます。
株主優待銘柄をお得に手に入れる方法は、
- 優待内容、予算、最終売買日を確認し、自分に合った株を買う
- 「優待+配当」の利回りを見て、トータルの割安度を調べる
- 優待改悪や廃止リスクのある業績の悪い企業は避ける
- 同じ優待がもらえるグループ企業は利回りで選ぶ
- 家族で最低単元を買い合って、効率よく優待を手に入れる
- できれば2単元買って、優待と値上がり益の両取りを狙う
- 優待がお買い物券の場合は、他の割引と併用してさらに利回りを上げる
になります。
これらのワザを駆使してできるだけ利回りの高い銘柄を安く手に入れ、家族とも協力しながらお金を貯めていってください。
また、お得な株主優待銘柄のジャンル別情報や株主優待・配当金をもらえるタイミングについては下記のページで解説しています。こちらもぜひご覧ください。