よくYouTubeで音楽系の動画を見ているのですが、動画のクオリティがどんどん向上しておりインフレしちゃってます。

数年前はただ演奏している様子をスマホのカメラで撮影してそのままアップロードしていても問題なかったはずなのですが、最近ではそんな低クオリティの動画はアップロードすること自体がはばかられるくらいに全体の水準が高くなってしまいました。ミスなく演奏できるのは当たり前、そのうえで演奏以外の部分にどれだけこだわれるか?という次元に進んでいます

たとえば私が見た限りでは

  • 動画を編集して演奏シーンに応じて白黒にしたりモザイクをかけたりする
  • カメラを複数用意して様々な角度から演奏の様子を見ることができる
  • 演奏者によるパフォーマンスがある
  • スタジオなど専用の演奏場所(撮影場所)を用意している
  • 演奏する楽器にもこだわっている
  • 外国人向けに英語や中国語での説明が説明蘭に書かれている
  • YouTubeのチャンネル登録だけではなく、フェイスブックや他のSNSにも誘導している

といった工夫が見られました。もはや素人レベルを完全に脱してしまっています。普通にテレビで放映していても不思議ではないし、「プロ」と言われたら信じてしまうくらいです。それくらい高品質化しているんです。

これだけ動画のクオリティがインフレしてしまうと、もはや素人が気まぐれで撮影した動画をアップロードしたところで誰も見向きもしませんしチャンネル登録者も増えないだろうな…と思います。

YouTubeを専門業にしている人のことをYouTuber(ユーチューバー)と呼びますが、少し前までは「俺もユーチューバーになれそう」という漠然とした感覚が漂っていました。どの動画を見ても素人感が漂っており、散歩の途中に撮影して空いた時間にアップロードすれば完了!みたいな簡単そうな雰囲気があったんです。

ところが現在では「ユーチューバーなんて誰でもできる」といった雰囲気はどこにもありません。素人が気軽に手を出せるものではなくなってしまったんです。

もちろん今でも数年前のように、素人感が漂ういかにも暇な時間に気まぐれで投稿したんだろうな、と思えるような動画もあります。しかしそれはあくまでも趣味でやっている程度のもので、チャンネル登録者を増やしたい!とかYouTubeの広告収入だけで生活できるようになりたい!といった意欲的な人たちのものではありません。

YouTubeが素人が楽しむものからプロが仕事として使うものに変化してしまい、視聴者がYouTubeに対して要求する水準も高くなってしまいました。今後はこの流れにさらに拍車がかかり、「素人お断り」なものになるんだと思います。そしてそれくらいの時期になれば、とある高知の田舎者が言っているように「YouTubeはオワコン」になるんだろうな…と思いました。