「コーヒーで眠気覚まし」がひと昔前の常識でしたが、今後は変わるかもしれません。

JT(日本たばこ産業)傘下のBREATHERがブリージングデバイス「ston」(税別6,000円)とカートリッジをオンラインで販売開始しました。

吸うカフェインstonとは?

stonとはどのような商品かというと、カフェインの蒸気を吸入することで眠気覚ましを図る商品です。ニコチンの代わりにカフェインを吸って覚醒しようぜ!ということですね。

眠気覚ましにはコーヒー以外にも眠眠打破やモンスターエナジーみたいなドリンクタイプの商品がありましたが、stonは蒸気を吸うタイプなため体内への吸収が早く、すぐに効果が表れるとのことです。タバコと違って有害な物質が出ないため、これならオフィスで吸っていても文句を言われなさそうですね。

どれくらいの眠気覚ましの効果があるのかわかりませんが、電子タバコでシェアを伸ばせず苦戦しているJTグループとしては新商品で売上を確保したいところです。

個人的には「眠い奴は眠らせておけ」という立場ですし、眠い人を無理やり覚醒させても体に悪そうな気がします。集中力も長続きするのか疑問ですし、社会的な意義も感じられません。「これがあれば24時間働けるでしょ」とブラック企業が社員に配布する闇深な未来しか想像できず、たばこ企業とはつくづく健康に反する商品を作るのだな…と失笑した次第です。

カフェインの副流煙による影響はないのか?

「蒸気タイプのカフェインを吸入」というのは新しいコンセプトで興味をそそられるのですが、たばこのように吐いた息(呼気)によるカフェインの影響や副流煙による二次被害はないのか?少し心配です。

カフェインは摂取しすぎによる死亡事例があるそうですし、妊婦さんなどカフェインを避けている方もいます。そういった方々に対しての悪影響が出た場合、ニコチン被害と同じように訴訟事案を誘発する可能性もあります。

これまでは飲料タイプだったためワンクッション置いていたから人体への影響が出にくかったわけですが、吸入タイプになりカフェイン中毒でバタバタ人が死んでいくような事態になったら…と考えると恐ろしいものです。

また吸入タイプの商品という点から、”吸う行為”に慣れさせて将来的にはタバコへ誘導しようといった意図も感じられます。あくまでもタバコ業界が作ったテスト用(実験用)の商品であることを念頭に購入判断したいですね。

どうしても眠気を覚まさなければならない時は誰しもあるかと思いますが、睡眠時無呼吸症候群に伴う睡眠など病気が原因で眠くなっていることもあります。そういった眠気をカフェインで無理矢理に覚醒させてしまうと、本来は治療が必要な病気の発見を遅らせることにもつながりかねません。

吸うカフェインで眠気覚まし!というコンセプトは面白いですが、健康への影響は慎重に判断したいですね。