働きたくないなー。できれば毎日遊んで暮らしたいなー。
こんな風に思ったことが誰でも1度や2度はあるんじゃないでしょうか?
私はよくそんな妄想をしており、人間やめて猫になりたいニャー🐈とか考えています。
アイツらは働かないのにチヤホヤされてて羨ましいです。可愛いは正義なので仕方がないのか。
人と猫の間には生まれた時点ですでに格差があるわけですが、人間も努力次第では猫のように遊んで暮らせるかもしれません。
仮に自分の代では不可能でも、何世代か続けば「資産家」と呼ばれるような一族に成長させ子孫を何不自由なく遊んで暮らせる状態に導いてやることは可能なのでは?
そう考え、3世代かければ誰でも資産家の仲間入りができるのでは?というテーマで今回は書いてみました。
親→子→孫の各世代が資産を作っていけば、孫の世代、もしくはその次の4世代目からは働かなくても配当収入や家賃収入といった不労所得だけで生きていくことが可能なのではないか?という意味です。
結論から言ってしまうと「無理」という判断になったのですが、この結論に至るまでの流れをいちおう残しておきます。 まあ私が資産家ではないことが証明みたいなものなんですけどね。
孫世代で資産家になるためのシミュレーション(例)
親・子・孫で「資産構築」という1つのテーマに向けて邁進すれば、ガンダムAGEのようにどんな困難もきっと克服できる!そう思っていた時期が私にもありました。
そんな私が思い描いていた資産構築のシミュレーションをご披露します。
シミュレーション:株で資産構築
親:60歳までに1000万円の貯金を作り、100万円ずつ新興企業の株に投資
子:親が買った株を売らずにひたすら保有し続ける。そして親と同じように、60歳までに貯金1000万円を作って100万円ずつ別の新興企業に投資。
孫:親世代(祖父母世代)が買った銘柄のうち1つが100倍になり、1億円規模の資産が作られる。また、子世代(自分の親)が買った銘柄のうち1つが50倍になり、5000万円規模になる。
この時点で資産総額は1億5000万円。
税引き後の配当金利回り3%で運用すれば年間450万円の収入になるので、田舎で引きこもり生活を送れば働かなくても生きていけそうです。
問題点やツッコミどころとしては
- 1000万円もの大金を残せるのか?また、自分で使いたくなっちゃわないか?
- 100倍株なんて見つかるのか?
- 親が作った資産をさらに自分の次の世代に残せるのか?(自分の代で資産を減らしてしまう危険性)
などが考えられます。
1000万円の大金については、いまの高齢者世代が若いころに貯金していれば年金以外に1000万円程度の貯金を作るのはそれほど難しいことではなかったように感じます。
郵便貯金でも年利8%とかの時代もあったわけだし、ちゃんと貯金していれば1000万くらい貯まったでしょう。
ただし、いまの日本で生活費以外に「死ぬまで使わない1000万円」を作るのはかなりのハードゲームです。
また100倍株ですが、こちらの本を読んだ感じだと不可能ではないように見受けられます。
先祖が買った株を世代を越えて持ち続けることができるか?の方が難易度は高いです。
戦後の高度成長期のような力強い経済成長が日本ではもう起こらない、というのもネックですが・・・。
それから基本的なこととして、金融資産1億5000万円程度では残念ながら資産家とは言えません。
配当収入が年間450万円あってもこれでは家族や子どもを養うのはキツイですし、次の世代が遊んで暮らすのも無理です。
「使いきれないほどのお金が自動的に湧いてくる」というのが真の資産家。
このレベルになるまでは私のシミュレーションをさらに3世代くらい繰り返す必要があります。
よってこのシミュレーションでは3世代で資産家になるのは不可能!
もしも3世代で実現したいのであれば「死ぬまで使わず子孫に残すお金」をもっと増やしたり、運用方法を工夫する必要があります。
計画を妨げるその他の要因
貯金の有無や運用方法のスキルに限らず、他にも計画を妨げる要素があります。
たとえば
- 相続税の存在
- 子どもの数が増えるとそれだけ資産を分割することになり、投資元本が少なくなる可能性
- 子孫が投資のセンスを持っているとは限らない
です。
相続税の存在
日本の相続税の計算方法は以下のサイトにシミュレーション付きで載っています。
【税額計算の順番】
(1) 遺産から基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)を引く
(2) 法定相続分で分割したと仮定して、各人の課税価格を振り分ける
(3) 振り分けられた各人の課税価格に税率をかけて各人ごとの相続税を算出する
(4) 各人の相続税額を合計して相続税の総額を算出する
(5) 実際に相続した金額に基づき、相続税の総額を案分する
(3)で用いる税率は以下の表のとおりです。
アメリカやイギリスなど海外に比べると日本の相続税は高く、日本にいる限り「3世代で資産家になるのは無理」と諦めたくなるほどです。
イタリアやカナダ、シンガポール、オーストラリア、北欧諸国では相続税がなかったりするそうなので、日本にいる時点で大きくマイナスです。
なるほど、このせいで私の家は資産家じゃなかったのか。(たぶん違う)
子孫のために一生懸命資産を蓄えても日本にいる限りは死ぬときにゴッソリ税金で持っていかれるので、資産家一族になるのは難しいです。
子どもをとるか資産をとるか
次に「子どもの数」ですが、子どもをたくさん育ててしまうと相続時に財産が分割され、子供1人当たりに残せる量が少なくなってしまいます。
投資元本は少ないよりは多い方が良いですが、第1世代が働かなくてもいいくらいの財産を築けたとしても、分割されてしまうと2世代目からは資産が減って逆戻りしてしまいます。
これを防ぐには陸奥圓明流のように子どもは一人だけ育てて一子相伝にするか、たくさん子どもがいた場合は1人にだけ資産を相続し、他の子どもたちには我慢してもらうしかありません。
しかしこれだと子ども同士が揉めて”争続”につながる可能性が残ります。
誰もが投資のセンスを持っているわけではない
投資の適性は個人によって違います。
親が天才的な投資家だったとしても、子どもも親と同じような投資のセンスを発揮できるとは限りません。
1世代目が1000万円の資産を残せたとしても、2世代目が全てをパーにして3世代目からまたゼロからスタートしなおしたりマイナスからスタートすることだってありえます。
これが交互に続いた場合はいつまで経っても資産家一族にはなれません。
そもそも「俺はミュージシャンになる!資産?そんなもん知るかボケ!」という子どもや、「お金のことが嫌い」という子どもが生まれてくることだって考えられます。
自分の一族に将来どんな性格の人が生まれるかはわからないので、どこかの世代で先祖たちの資産をすべて失うリスクが常にあります。
これを防ぐためには幼少期からの徹底した教育が必要です。
- 自分の一族がいまどういう状態なのか?
- どうして先祖たちは協力して資産を築こうとしはじめたのか?
- 自分の役割(次世代にできるだけ多くの資産を残す)
といった歴史教育のほか、
- 金融教育や詐欺師に騙されないようにするための人付き合いの方法や人の見極めかた
- 感情のコントロール方法
など、学校教育では教えてくれないようなことを特別に教育する必要があります。
家庭でそのような教育ができるのかというと、ふつうの家庭では難しいでしょう。
子孫のために犠牲になれるか?
今回の設定がガバガバなシミュレーションは、言ってみれば子孫のために自分は犠牲になれるのか?という話に通じます。
せっかく資産を築いたのに自分では利用せず、子どもに相続してさらに孫やひ孫の世代にまでプレッシャーをかけ続ける、いわば呪いのような計画です。最初の世代の人が「子孫のため」と思って始めたことでも、子どもや孫にとっては迷惑でしかない場合があります。
それに資産構築の途中世代にあたる子孫からすれば、先祖が作ったルールのために好きな道へ進むことができず、人生を犠牲にすることにもなりかねません。
資産を築くなら一代でドーン!と作るのが禍根を残さずにすみそうだと感じました。
「子どものために資産を残してあげたい」という愛情あふれる方は、この本の方法で資産を引き継ぐこともできます。