日本で唯一のタバコ銘柄「日本たばこ産業(JT・2914)」の株主優待が変更になりました。IR情報は下記リンク先に記載してあります。

主な変更点

日本たばこ産業の株主優待制度の主な変更点は3つです。

  1. 優待品の贈呈を年2回→年1回に減らす
  2. 回数が減った代わりに贈呈商品の金額を引き上げる
  3. 1年以上の長期保有者だけを対象とする(来年以降)

1と2はセットになっているのですが、これまでは年2回だった優待商品の発送が年1回に減らされます。

優待の権利確定日は12月31日の年1回だけになり、これまで2回に分けて送られてきた優待品がドバっと一気に送られてくるようになります。

そして優待品の金額が若干増えます。

たとえば100株保有者であれば

  • 1,000円相当の商品が年2回、年間合計2,000円分の商品(もしくは寄付)

でしたが、「2,500円相当の商品(もしくは寄付)」に拡充されます。

2,000円→2,500円なので、金額的には25%アップです。

ほかにも保有株数に応じて

  • 200株~:年間4,000円相当→年間4,500円相当へ12.5%アップ
  • 1,000株~:年間6,000円相当→年間7,000円相当へ16.6%アップ
  • 2,000株~:年間1万2,000円相当→年間1万3,500円相当へ12.5%アップ

となります。

JT 株主優待 旧制度

JT 株主優待 新制度 変更

長期保有者のみ対象

株主優待の対象株主も変更になり、1年以上の継続保有者だけが優待品をもらえるようになります。

1年以上継続保有とは、同一株主番号で、3 月 31 日現在、6 月 30 日現在、9 月 30 日現在及び 12 月 31 日現在の株主名簿に、連続して5回以上記載又は記録されていることが条件となります。

注意点としては、

  • 途中でJT株を保有する証券会社を変更(楽天証券で保有していたのを売って、新たにSBI証券で買いなおすなど)したり
  • 結婚して苗字が変わる
  • NISA口座から一般口座へ移した
  • 貸し株により一時的に所有権を手放した

などの事情により株主番号が変わったり継続保有が確認できなくなると、株主優待がもらえなくなることです。

貸し株設定をしている方はJT株だけ解除しておきましょう。

なお、新しい株主優待制度の適用開始時期は2019年の12月31日~となります。

現行の株主優待制度は、2019年6月30日時点の株主名簿に記載された株主への贈呈をもって終了となり、2019年12月31日現在の株主名簿に記載又は記録された株主様から、変更後の新制度が適用されます。

いまJT株を持っている方、これからJT株を買う方は、来年の6月末までは100株1,000円相当、200株2,000円相当~の古い制度が適用されます。

配当金は変更なし

優待制度は変更になりましたが、配当金はこれまでどおり年2回(6月、12月)の権利確定です。

いまのところ減配などの情報は出ていないので、1株当たり半期75円、年間150円となり利回りは5%程度になります。

JT側の思惑は?

今回の優待制度の変更により、JTにとっては優待品の配送回数が減らせて、配送に伴う手続きを省くことができます。これで事業に関係ない余計な手間を減らして本業に集中できますね。

配当コストも少しだけカットできるし、配送業者の負担もほんの少しだけ楽になります。

贈呈品の拡充で12.5~25%のコスト増になりますが、おそらく株主の構成比率的には大口の株主が多く、100株など小口の株主は少ないので実質的にはそれほどコストの負担は増えないものと思われます。

長期保有者の継続保有を確認する手間が新たに加わりますが、これはシステム的にチェックできると思うのであまり負担にはならないでしょう。

長期保有者が増えるほど株価と経営は安定しますので、JT的にはメリットが大きいのだと思われます。

優待より配当金をくれ!

優待制度の変更により、株主にとってはもらえる優待が増え、会社側は事業に集中して取り組めるようになります。

株主優待は非常に不公平感の強い制度ですので本当は優待を廃止して配当金に絞ってほしいのですが、それはまだ先の話になりそうです。

www.moneymics.com

参考リンク:

日本たばこ産業の事業内容や将来性、リスクについては下記にまとめてあります。投資判断の検討をしたい方は参考にどうぞ。

www.moneymics.com