日本たばこ産業

今回は日本たばこ産業(JT、証券コード2914)の銘柄紹介をします。

自分が保有している銘柄なので、ポジショントーク(自分に都合の良い考え方をしながら話すこと)だとご理解の上で読んで頂きたいと思います。

日本たばこ産業のデータ

  • 事業内容:国内たばこ29%、海外たばこ58%、医薬5%、加工食品8%
  • 主要株主:財務大臣(33%保有)
  • 自己資本比率:53%
  • 現在の株価:2,966円(2018年9月末)
  • 予想配当金:半年ごとに75円/株(利回り5%)

株主優待と配当金が魅力!利回りは5%以上!

日本たばこ産業は配当金が高利回りなのと、株主優待が付くのが魅力です。

配当金・株主優待は半年ごと(6月、12月)にもらえ、配当金は100株あたり年間1万5,000円前後、配当金利回りは5%にもなります。

株主優待は自社および自社グループ会社商品(食品等)がもらえ、ペットボトルの水やバックご飯、レトルト食品、調味料、ジャムの詰め合わせセットなどが保有株数に応じて届きます。

  • 100株以上:1,000円相当
  • 200株以上:2,000円相当
  • 1,000株以上:3,000円相当
  • 2,000株以上:6,000円相当

優待の利回りは0.3%と低いですが、配当金がとにかく高いのが特徴です。

【11月26日追記】

JTの優待制度は2019年から変更になります。変更点は下記記事をご覧ください。

JT・日本たばこ産業(2914)の株主優待が拡充?来年末から年1回+長期保有者のみへの贈呈になります

日本たばこ産業(JT)の事業リスクと特徴、今後の株価

日本たばこ産業の事業の特徴ですが、紙巻たばこに限れば日本国内には他にライバルがいない(というより、既得権益化している)というのが強みです。

飲食店における分煙・禁煙化の法整備に自民党のタバコ族議員が猛反対したことからもわかるように、たばこは政治的に守られた産業であり今後10年くらいは安泰だと考えられます。

また、たばこは依存性が強いので、値上げやたばこ税の増税がされても喫煙者は喜んで買ってくれます。値上げや増税による売り上げは、今後もそれほど下がらないでしょう。

店頭価格が一気に2倍、3倍になればさすがに売上にも影響がありそうですが、先ほど述べたようにタバコ族議員を中心とした喫煙者勢力、及びたばこ農家が猛反対するので極端な値上げは考えにくいです。

日本たばこ産業(JT)の将来的な事業リスクとしては、

  1. 若者のたばこ離れ
  2. 世論の変化(タバコは体に悪い!タバコは徹底的に規制せよ!)
  3. たばこ農家の高齢化、後継ぎがいないこと

が挙げられます。

若者のたばこ離れ

むかしは「煙草を吸っている人はカッコイイ!」みたいな価値観があったことや戦時中に煙草を吸う人が多かったこともあり、厚生労働省の喫煙率調査によれば昭和40年代の喫煙率は男性で70~80%もありました。

当時は男性に限って言えば、「煙草を吸わないなんて珍しい」という世の中だったわけです。

たばこの喫煙率の変化 画像
たばこの喫煙率の変化

ところが現在では全年齢平均での男性の喫煙率は20%程度しかなく、年々下がる傾向にあります

「たばこは体に悪い、ガンや脳卒中の原因になる」といった情報が周知されるようになってきたことや、不景気・若者の賃金低下により「たばこを買うお金がない」という経済的な事情が原因です。

さらには「たばこを吸っているのはカッコ悪い。ダサい。」という価値観の変化や、喫煙者のマナーの悪さ、「たばこのにおいが臭い」「喫煙者は肌が汚い」といったデメリットが強調されるようになり、とくに若い世代を中心として”たばこ離れ”が加速しています。

JTとしては将来的なマイナス要因ですね。

世論の変化

最近ではSNSやブログでたばこのデメリットを訴える人も現れるようになり、喫煙者は肩身が狭くなり、世間全体でも嫌煙化・禁煙化の流れが進んでいます。

喫煙者が病気になるリスクと社会保障費(医療補助)を結び付けて議論することで、「喫煙者を減らせば社会保障費が減らせるし、国家の財政負担が減る。」といった声もあります。

今後は保険会社の方でも喫煙者と非喫煙者で保険料を変え、非喫煙者は保険料が安くなるなどの保険商品が誕生することも予想されます。

そうなったらますます喫煙率は下がり、日本たばこ産業(JT)としてはマイナスになるでしょう。

たばこ農家の高齢化、事業継承者不足

たばこ農家

紙巻たばこの原材料となる葉タバコの生産・供給でも不安が残ります。

近年、一般的な農家だけでなく、たばこ農家も減少傾向にあるそうです。

長崎県内は全国でも有数の葉タバコの産地。生産農家からは、たばこ離れに拍車がかからないかと心配の声が上がっている。

県内では島原や五島地区が主な葉タバコの産地で、2017年度の収穫量は全国5位の1691トン。

ただ、農家戸数(286戸)は年々減少傾向にあり、五島市崎山地区では昭和40年代には葉タバコ農家が100人以上いたが、高齢化による後継者不足などもあり現在は8人。その一人、山内三弘さん(72)は「これ以上、たばこ離れが進めば経営が成り立たず、生産者がいっそう減るのは明らかだ」と指摘。葉タバコ産業のさらなる先細りを懸念する。

(一部省略))

たばこ離れに懸念の声 生産農家「経営成り立たない」 10月値上げから

生産農家が減って原料(葉タバコ)の生産量が減った場合、需要と供給のバランス次第では原材料の調達費用が利益を圧迫するかもしれません。たばこ離れが進んでおり需要も減ってはいますが、懸念材料の1つです。

原材料費の高騰により利益が圧迫されれば、株価への影響は避けられません。

JT株のプラス材料とは?

暗い話をしてきましたが、日本たばこ産業の(JT)のプラス材料についても見ておきます。

国内市場の縮小に伴い、JTではたばこ事業を海外へ展開しています。

バングラデシュのたばこ会社(売上約200億円)を18年度下期に約1645億円で買収するなど、主に新興国への展開を進めています。

海外では人口の増加や経済発展に伴いたばこの需要も伸びる可能性があり、JTにとってはプラス材料です。

その他、国内では電子たばこの開発や生産・販売も進めており、紙巻きたばこの売上減少を賄っている状態です。

結局JT株は買いなのか?売りなのか?

「この銘柄を買いましょう!」「売りましょう!」みたいな話をすると怖い人に睨まれそうなので明言はしませんが、株主優待と配当金狙いで私はJT株を買っておきました。

月足チャートで見ると株価は下降トレンドの最中なのですが、底値(500円くらい)まで待つのは時間がかかりそうですし、3,000円が1つの節目と考えて買いました。

日本たばこ産業(2914)の月足チャート 画像
日本たばこ産業(2914)の月足チャート

損益はいまのところマイナス(含み損)。

プラスになればありがたいですが、優待や配当金が半年ごとにもらえるのは捨てがたいので、倒産しない限りは保有し続けるつもりです。

JT株の損益 画像

株式投資をするなら配当金、株主優待狙いで!

投資手法にはいろいろなものがありますが、私は現在、高配当株や株主優待が魅力的な銘柄など、利回りを重視した方針で投資をしています。プロフィールにも書いているように、値上げ益を狙った投資をして失敗してきたからです。そのため、現在では値上がり益狙いでの信用取引もしていません。

参考:当サイト管理人のプロフィール。投資経歴と現在の投資方針

資産を「着実に増やす」という意味では値上がり益を目的とした投資手法はリスクが大きいと感じますので、これから投資をはじめる方は配当金目的や株主優待を目的とした農業型の投資手法をおすすめします。

高配当株や株主優待が魅力的な銘柄、投資資金の少ない初心者の方でも買いやすい銘柄については下記ページを参考にどうぞ。