映画業界やテレビドラマの最近のトレンドとして、「アニメ化で成功した作品を実写化する」というものがあります。漫画やライトノベルが原作の作品をアニメ化し、成功したものを実写化するというものです。

すでにアニメ化で成功している作品なので実写化しても成功するのは間違いない!という発想自体は的を射ていますし、視聴率や興行収入を狙うのであれば当然と言えば当然の戦略です。二次元で成功した作品を三次元に引っ張ってくれば、アニメや原作のときとはまた違った客層にお金を落としてもらうこともできます。新しい映像作品を作るのに、脚本をゼロから考える必要もないので楽です。

このような安易な理由から原作漫画(もしくはラノベ)→アニメ化→実写化の流れが生まれること自体は成功法則に従っているとも言え、お金が好きな人が食いつくのも納得できます。

ですがあまりにもこのトレンドが露骨すぎて、最近はもうお腹いっぱいです。

原作で人気があったラノベや漫画がアニメ化されると、「次は実写化されるんだろうな」と察することができます。実写化作品の制作を発表する段階で「ついに実写化!」みたいな宣伝文句があるのですが、実感としては”ついに”というよりも”また”の方が適切な感じです。サプライズ感がゼロ!それくらいお腹いっぱいなんです。

実写化は作品を劣化させるだけ

実写化される作品のプロモーションビデオやキービジュアルを見ていつも思うのですが、そもそも実写化というのは原作を劣化させているだけなんですよね。

ラノベとか漫画をアニメ化するのは、文章や挿絵だけだった作品に動きを与えたり、二次元の絵(漫画)に動きや声を与える行為です。これは言ってみれば静止画を動画にしたり「声による表現」を付加したりしているわけでして、原作を「より次元の高い作品へと昇華させた」とも受け取れます。そのためアニメ化する段階では原作ファンはあまり文句を言わないし、アニメ化された作品を見た時の「ガッカリ感」も少ないです。

ところが実写化は、作品を昇華させるのではなく劣化させるだけです。

すでにアニメ化されているわけですから、原作の文章や絵に声や動きが与えられています。もはやこれ以上余計なものを付け足す必要はありません。付け足そうとした場合、それは文字どおり”蛇足”です。邪魔なものでしかない。

それにも関わらず、「二次元で成功した設定やストーリーなんだから三次元にしても(実写化しても)売れるはず」「ゼロから脚本を書くのは面倒だから二次元の人気作品をパクっちゃえ」みたいな感覚で実写化されていくからおかしなことになる。

アニメ化したらもうそこでストップしていいです。無理して実写化しなくていいです。というか実写化すんなよ!

正直なところ、制作陣以外は誰も実写化を望んでいないと思います。原作のファンならなおさらです。

せっかくアニメ化されて「おおっ!!!!」って感動していたのに、実写化されて「はぁああ????」と残念な感じになってしまうのは、思い出を汚されているみたいでなんだか嫌な気分です。

人気アニメの実写化を企画している映像関係者へのお願い

もしも人気アニメを実写化しようと企んでいる映画関係者やテレビドラマの制作スタッフさんがいましたら、どうかお願いです。原作を汚さないでください。人気アニメを無茶振りで実写化しようとしないでください。上の立場の人が「よし!この人気アニメを実写化しよう!」みたいなことを言い出したら全力で止めてください。実写化なんて誰も望んでいません。

それに実写化は新しい作品をゼロから作り出すわけではないので、映画の制作スタッフに企画力がないと宣伝しているようなものです。「我々は新しい作品を生み出すことができませんでした!だから人気アニメを実写化して新作を作ったことにしまーす!」と、大声で触れ回っているようなものです。映像関係者としてのプライドはないのか?

実写化して変なCGを入れたりコスプレをしたりしても、違和感しかありません。二次元作品は二次元の世界にそのまま残し、三次元は三次元で別の作品を作りましょう。その方が原作ファンはガッカリしなくて済みますし映画ファンは喜びます。また、制作スタッフのスキルも向上すると思います。

実写化してアニメファンや原作ファンを失望させるのではなく、全く新しい作品が誕生するのを今か今かと楽しみに待っている映画ファンを大事にしてあげてください。

 

以上、東京喰種の実写化作品がAmazonプライムビデオに並んでいるのを見てガッカリした、田舎のアニメファンからのお願いでした。