原油の先物価格が0円(タダ)になったと話題になっています。

https://twitter.com/alpaka/status/1252285420164898816

先物の価格なので原油そのものの値段が0円になったわけではありませんが、需要が無さ過ぎて世界中で原油が余ってしまっています。誰もが「原油なんてイラネーよ!」と言っているような状態で、どこの国の原油貯蔵倉庫も満杯です。

原油のように保管コストがかかる商品は、需要が無くなると掘削や運搬に必要なコストと共に保管コストが圧し掛かってきます。

そのため、世界中で需要が無くなると最悪の場合は「マイナス価格」になる可能性もあります。

誰も買ってくれない状態でも保管コストだけは毎月掛かります。その保管コストにジワジワと首を絞められるくらいなら「お金を払ってでも早く引き取ってもらおう」となるわけです。

日本の旧リゾート地にある別荘と同じですね。使わない家を所有し続けても税金だけは毎年取られるので、タダで引き取ってもらったり、売主が買い手にお金を支払って所有権を移転したりします。

原油は現在このステージに到達しており、需給が逆転しない限りは値段が下がり続けることになります。

新型コロナウイルスの影響もあって現在世界中で物流が減少しており、航空会社(空運業)など化石燃料の消費量が多かった業界ほどダメージを受け営業を停止していますから、ますます原油の需要は下がることでしょう。

産油国はいまだに毎日大量の原油を産出していますが、いまのペースで生産を続けても「誰も欲しがらない」ため、タダ同然の値段で配ることになります。

資源に乏しく原油を輸入している日本にとってはガソリン価格が安くなったり飛行機のサーチャージが安くなったり火力発電所のコストが低下する(電気代が安くなる?)などして有難いことではあるのですが、感染症リスクによる外出自粛ムードの中で原油の安売りセールスをやられても使い道が無いしなあ…(だからこそ需要が下がる)と複雑な気分です。

マイナスダメージを受ける可能性のある企業もあり、日本経済への悪い影響も心配です。

https://twitter.com/zimkalee/status/1252295300254851073

原油の先物価格は水よりも安くなっており、飛行機が発明された時代(1903年)や第一次世界大戦の時代よりも安くなっています。「石油王に俺はなる!」とか「石油王と結婚する」のは大金持ちになることを意味する夢物語でしたが、文字どおり夢から醒めてしまいました。価値観が180度変わるってスゲエな!

これから先どうなるかわかりませんが、私たちは日々精一杯生きるだけです。できれば10年後、20年後を見据えて手に職を付けたり学習に励んだりしたいところですが、景気が悪くなると不安になって何も手に付かなくなっちゃうんだよなあ…。

こんな時代だからこそ必要な資産防衛の関連記事